コミュニケーションが成立するためには、双方の発信器官、受信器官(ここで言う器官というのは身体的な器官のことではなく、「メカニズム」くらいの意味だ)が健全に稼働していることが必要条件となることは言うまでもないことだとおもう。片方の受信器官が壊れていたら、とうぜんもう片方がいくら発信したところでその信号はだれにも届かないまま消えていく。これは逆もまたおなじことが言えて、片方の発信器官が壊れていたら、とうぜんもう片方がいくらがんばって受信したところでそれは理解不能なものになるし、そもそも発信されてないものを受信することはできない。いくら耳をすましていても。 いま、双方の発信器官受信器官が健全に稼働していることをコミュニケーション成立の「必要条件」と言ったけれど、ではこれらの条件はコミュニケーション成立の「十分条件」だろうか? ということを考えてみたいと思う。換言すれば、「双方の発信器官も受信器官