京大に合格してすぐ、父の友人が先斗町の小料理屋に連れて行ってくれた。最初、店には私たち3人だけ。しばらくすると「京都のことならなんでも聞いてくれ」みたいなことをゲラゲラ笑いながら話す人が「お、ここにしよう」と戸を開けた。いかにもお金持ってそうな、高級スーツを着た男性二人。すると。 店の主人が「すみません、予約でいっぱいで」。やむなく二人の男性客は店を出た。私はいつ予約客が来るんだろう、と気になっていたけれど、一向に予約客が来る様子もなく。 やがて恐る恐るの様子で、二人の女性客が戸を開けた。「あのう、京都のお料理を勉強させていただきたいんですけど」すると。 「どうぞ」 店の主人は、予約客が来るはずの席に女性二人を招じ入れてしまった。え、でも、だって、予約客がって言っていたのに、と目を丸くする私に、父とその友人はニンマリ。 店を出た後、父とその友人は私に教えてくれた。 「京都人として認められる
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