都市伝説というのは微妙な概念で、「デマ」「噂」「流行している小話、ジョーク」の要素を限りなく含みつつ、一部の人にとっては完全な事実として機能する、社会全般に非活字的に伝わるストーリーを指す。 日本で有名なものと言えば、ふた昔前になる「口裂け女」とか、やはり同時期だった「海外のブランドショップの試着室から誘拐される日本人新婚妻」「アラブで子供を交通事故で死なせた外交官の子供が、群集に引きづり出されて車でひき殺された」などという、ホラー系が知られている。荒唐無稽のようでどことなくありそうな内容、「友達の友達から聞いた」というのが普通の伝搬経路という特徴をもつのだが、「時代の不安」とでもいうものを巧みにとらえている面があり、なかなか興味を引かれるものだ。 医療業界というのは、この手の伝説の宝庫といえ、単純なものから手の込んだもの、十年一日の如く同一構造で繰り返されるものと様々だ。中にはご存じのも