アウトサイダーアート これまで美術書の編集を通じて、いくつかの重要なアートの動向に出会ってきた。ひとつは1993年に出版した『パラレル・ヴィジョン』で取り上げた「アウトサイダーアート」。現在は「アールブリュット(生の芸術)」としてひろくその価値が認められている。本書は、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムやMoMAなど全米を巡回した同名展のカタログを書籍化したもので、その後、日本への巡回(世田谷美術館)が決まり、日本語版の出版に携わった。ちなみに日本展は大成功で、ヘンリー・ダーガーなど後にブームとなる作家も同展で日本に紹介された。書籍は5,000円以上の価格にもかかわらず会場で飛ぶように売れ、書店でもリブロが平積みに。累計4刷2万部以上が発行され、美術館と出版社の共同出版において先駆けの一冊となった。 対話による美術鑑賞 二番目は、1997年に『なぜこれがアートなの?』という本をきっかけ