約1300万年前に絶滅した大型哺乳類「デスモスチルス」の謎に迫る研究成果が日本で相次いでいる。生息環境は発見から120年以上たっても論争が続いていたが、主に海だったことが最近になって分かってきた。多くの学問分野のアプローチを結集すれば、「幻の海獣」の実像を解明できるかもしれない。(黒田悠希) ◇ ■のり巻き状の歯 デスモスチルスは恐竜絶滅から約4千万年後の約2千数百万年前に誕生した。体長約2メートル、体重約2トンのずんぐりとした体形で、4本の足があり、ゾウやマナティーに近い系統とされる。化石は北太平洋の沿岸域でしか見つかっていない。特に日本列島に集中しており、日本の古生物を代表する「名産品」だ。 のり巻きを束ねたような不思議な形の臼歯を持つ。名前はギリシャ語の束(デスモス)と柱(スチルス)に由来する。同様の臼歯を持つグループは「束柱(そくちゅう)類」と呼
ロイター通信が昨年2月、イランで日本の忍術を習う女性らの様子を取材した映像に「暗殺者として訓練を受けている」と見出しを付けて報道した問題で、イランの裁判所はロイター通信テヘラン支局に科していたイラン国内での取材活動の停止処分を解除し、再開を認めた。
奈良県御所(ごぜ)市の用水路で昨年夏に偶然見つかった国の特別天然記念物・オオサンショウウオを一時保護している奈良県橿原市の市昆虫館が、生息地を特定するため今夏、初めて捜索区域を近接する吉野川水系に拡大する。近畿の繁殖地は三重県や兵庫県などに限られるとされ、奈良県南部で確認された公式の記録はない。文化庁は「西日本の“生きた化石”の生息地図が塗り替えられる可能性もある」と捜索結果に期待している。異例50kmの広域で 保護されているオオサンショウウオは、全長1・1メートル、体重13・4キログラムの雄1匹。昨年8月下旬、御所市の曽根川支流の用水路で見つかった。 同館は生息地を特定するため昨年9~11月、発見場所と水路がつながる大和川水系の曽根川や葛城川、飛鳥川、寺川などの支流約20キロに捕獲用の罠(わな)を仕掛けたが、成果はなかった。 捜索範囲について調査許可の権限がある文化庁と協議し、吉野川水系
弥生時代前期(約2400年前)の水田跡としては、国内最大規模を誇る奈良県御所市の中西・秋津遺跡。県立橿原考古学研究所(橿考研)の発掘調査で、洪水の土で“真空パック”された状態で水田跡の一部が見つかるなど、「弥生当時の水田」を知るうえで貴重な調査成果をあげている。京都大大学院も共同研究で土壌分析に協力しており、日本に稲作が伝わった頃の田園風景の様子が明らかになりつつある。今年度の調査も始まり、専門家や考古学ファンの注目を集めている。 ■「弥生の水田」出現 弥生前期といえば、日本の食文化の原点である稲作の技術が、大陸から伝わった時期とされる。九州から四国、本州に展開した最初期の水田跡が突如、出現して話題を呼んでいるのが中西・秋津遺跡だ。 地元の京奈和自動車道の建設に伴い、橿考研が事前調査を始めたのは平成22年。この調査時で、洪水による砂で厚さ1~1・5メートルにわたり「真空パック」された、水田
政府が、女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発する「女性手帳」(仮称)の導入を検討していることが4日、わかった。医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙いだ。6月に発表する「骨太の方針」に盛り込む方向で調整している。 政府は少子化対策として産休や育休を取りやすくする制度改正、子育て世帯中心の施策を優先してきたが、晩婚・晩産化対策も少子化解消には必須と判断した。安倍晋三内閣はこれを重点政策に位置づけており、骨太の方針に反映させた上で、来年度予算に調査費などを計上したい考え。 内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」(議長・森雅子少子化担当相)は、妊娠判明時点で自治体が女性に配布する「母子健康手帳」よりも、早い段階からの「女性手帳」の導入が効果的とする見解を近く取りまとめる。子宮頸がん予防ワクチンを接種する10代前半時点
大阪府警生活環境課は22日、陸上自衛隊などに品種を偽ってコメを納めたとして、不正競争防止法違反の疑いで、大阪府東大阪市の米穀販売会社「ライスネットワーク」代表取締役、八木尚之容疑者(53)ら4人を逮捕した。 陸自大久保駐屯地(京都府宇治市)によると、コメのサンプルに虫が混じっていたことや、炊事担当の隊員が食べた際、味に違和感があり、昨年11月に民間会社へ検査を依頼。その結果、表示と違う品種であることが判明した。 生活環境課によると、八木容疑者は「赤字だった会社の利益を上げるため、違った産地で、品種の異なる安い玄米を精米し、納品した」と供述。逮捕容疑は共謀し、昨年10月~今年1月、大久保駐屯地に、福島や福井、徳島県産のコシヒカリなどの混合精米計4800キロを「滋賀県産キヌヒカリ単一原料米」と偽って表示。近畿4府県の4店にも、精米計17キロを「三重県産」「徳島県産」と偽り、それぞれ納入した疑い
世界30以上の国と地域で発行され、2億3千万部を記録した人気漫画「ドラゴンボール」の作者、鳥山明さんが、愛知県安城市の小学生を対象とした環境保護の学習会で配る読本に、農業の大切さを訴えるオリジナル漫画を無償提供した。 市によると、2月に読本が完成した途端、学習会を開きたいとの要望が急増。全国から「どうすれば入手できるのか」との問い合わせも多いが、「安城の子どもたちのためのもの」と遠慮してもらっている。 作品名は「おいしい島のウーさま」。合成食物しか知らない主人公が自給自足の島に不時着し、ウーさまと呼ばれる神様の導きで農作業の楽しさや農産物のおいしさを知る物語。独特のタッチで描かれる。 鳥山さんは、友人が立ち上げた農業や環境に関する教育活動に取り組むNPO法人「田園社会プロジェクト」に賛同。翌年にはパンフレットにこの漫画を提供。安城市が昨年6月に読本に転載することを打診すると、快諾した。
99歳の社会人聴講生として桃山学院大学(大阪府和泉市)に通学してきた村川信勝さん=大阪市東成区=が、4月からの新学期も2科目選択し、7年目の聴講生として通学を続けることになった。今年中に100歳という節目を迎えるが、「頑張らなしゃあない」と学習意欲はさらに旺盛だ。肺炎で入院、リハビリで4月に間に合わせた 「ここ(大学)に来ると思ったら、前の日から気持ちがしゃんとしている」。1月、大阪総合面の「まちかど人間録」で紹介したとき以来、約3カ月ぶりに再会した村川さんは、勉強道具の入ったリュックを背負った若々しいかっこう。つえをついているものの、しっかりした足取りだ。 今学期に選択したのは「国際政治事情研究」と「東南アジア近現代史」の2科目。兵士として太平洋戦争を経験しており、外交や国際関係は最も関心のある分野だという。 実は、1月中旬から2月末にかけて肺炎で入院した。「家で3べんも血を吐いて、ふう
海外旅行先で美術館や博物館に行くと、観光客らがごく自然に館内を撮影している光景に出合う。実物を見るだけでなく、思い出に画像を残したいという来館者の声を受け、国内でも条件付きで写真撮影を許可する館が増えている。一方、鑑賞の邪魔になったり著作権保護の観点などから禁止している館も多い。ミュージアム内での撮影は認められるべきか、否か。国立西洋美術館の青柳正規館長と、世田谷美術館の酒井忠康館長に聞いた。◇ ≪酒井忠康氏≫静かな環境で鑑賞したい ●撮影者のマナー悪い --世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園)は、入り口付近に撮影禁止を看板で表示している 「個人的には、撮影規制はしたくない。しかし、撮る側はあまりにもマナーが悪い。外国の美術館に行くと、真剣に鑑賞している人のそばでカメラでバシバシ撮っている。軽い気持ちで撮っているのだろうが、それでは静かな環境で鑑賞ができず、他人に迷惑がかかる。美術館はあく
神奈川県立高校の文化祭でチアダンス中の女子高校生をデジタルカメラで撮影したとして、県警相模原南署は9日、県迷惑行為防止条例違反(卑わいな言動)と建造物侵入の現行犯で、川崎市役所職員の杉本直紀容疑者(36)=横浜市磯子区杉田=と、みずほ信託銀行員の藤本英伸容疑者(43)=東京都江戸川区東葛西=を逮捕した。同署によると、2人は“盗撮仲間”という。 逮捕容疑は9日午後0時25分ごろ、相模原市南区の県立高校で開催されていた文化祭で、ステージでチアダンスをしていた27人の女子高生をデジタルカメラで撮影した上、そのうちの1人の太ももなどをアップで撮影したとしている。 舞台袖にいた顧問の教師が不審な動きをしている2人に気づき、職員室で事情を聴き、教師らで撮影された映像を確認した上で、同署に通報した。 同署によると2人は容疑を認め、「趣味で欲求を晴らすためにやった」と供述している。 同署の調べでは、2人は
ロンドン五輪の選手村で無料配布されている史上最多15万個のコンドームが、開幕わずか5日目で早くも品薄状態になっていることが31日、分かった。支給している英最大手のコンドームメーカー、デュレックス社では追加支給を検討。観客席に空席が目立つことで組織委員会がやり玉に挙げられているのも何のその。選手村は“夜の大運動会”も盛況のようだ。(サンケイスポーツ) 204カ国・地域から約1万500人が参加するロンドン五輪。1992年のバルセロナ大会から始まったとされる選手村でのコンドーム無料配布だが、今回は史上最多の約15万個が用意されたにもかかわらず、27日の開幕からわずか5日目にして、一部で品薄状態になっているという。 2000年シドニー大会では7万個が1週間で底をつき、2万個を追加された。10年バンクーバー冬季大会では当時史上最多の10万個が用意されるなど、大会規模に伴い数が上昇してきた。 今回は単
アース製薬のヒット商品「ごきぶりホイホイ」の開発を手掛けた同社元常務取締役、木村碩志(きむら・ひろし)氏が10日、兵庫県内の病院で死去した。82歳。通夜は12日午後6時、葬儀・告別式は13日午前10時半、兵庫県赤穂市南野中625の1、赤穂メモリアルホールで。喪主は長男、謙介(けんすけ)氏。
東日本大震災でエネルギー政策の転換が叫ばれる中、重力と浮力だけを利用して電気を発生させる装置をさいたま市浦和区の会社役員、阿久津一郎さん(80)が発明した。パチンコ玉を内蔵したピンポン球を高い位置から落として歯車を回して発電、水の入ったパイプの中で球を再び浮力で上昇させて循環させるもので、平成22年10月に特許を取得した。実用化されれば、天候や時間に左右されない“究極の自然エネルギー”として注目を集めそうだ。(安岡一成) 阿久津さんが開発した装置は、容量約10リットルのアクリル製の箱に、高さ約2メートルの「蓄水管」「上昇管」「落下管」という3本のパイプがついただけの簡単な構造。上昇管には水の逆流を防ぐため、落下管には圧力を保つための弁がそれぞれ取り付けられており、上部でつながっている。落下管には発電機と連動した歯車が取り付けられ、回転すると電力を発生させる仕掛けになっている。 まず、落下管
将来、食卓に「人工肉」がのぼる日が来るかもしれない。米サウスカロライナ医科大学のウラジミール・ミロノフ博士が10年来、人工的に肉を培養する研究を続けている。 発生生物学者で再生医療に携わるミノロフ博士の構想によると、生体工学的に作られる人工肉はフットボール場くらいの大きさの建物の中で製造される。そこで作られた人工肉は「charlem=Charleston engineered meat(チャールストン組み換え肉)」と名付ける予定だという。 問題は、資金不足と人工的な食べ物に対する人々の嫌悪感。ミノロフ博士のもとで研究を行っているニコラス・ジェノべーゼさんは「人は食べ物とテクノロジーを結び付けることを嫌うが、自然だと思われているがそうではない食べ物が世の中にはあふれている」と語った。 また、ミノロフ博士は人工肉が、食用家畜の飼育地減少の結果として起こる世界的な食料危機を救うだけでなく、宇宙で
サッカー韓国代表のMF奇誠庸選手の「サルまね」問題で、テレビ朝日が27日の情報番組「ワイド!スクランブル」(午前11時25分)で「奇選手が見た観客席の旭日旗」として紹介した写真が、別の試合のものだったことが分かり、同局は28日、同番組で寺崎貴司アナウンサーが訂正し、視聴者に謝罪した。 テレ朝によると、27日の同番組では、韓国のテレビ局SBSが報じた旭日旗の映像写真をフリップで紹介。しかし、写真は昨年6月19日のサッカーW杯南アフリカ大会日本対オランダ戦での観客席の様子だった。同局は「内容確認が不十分だった」としている。 この問題では、奇選手は当初、サルまねをしたことについて観客席の旭日旗を見て「胸中で涙が流れた」などとツイッターで説明。韓国紙の中央日報は「旧日本軍が旭日旗を使用していたため、怒りを抑えられなかったと見られる」などと報じていた。
2008年の金融危機の責任を追及している米議会の金融危機調査委員会は7日、金融大手ゴールドマン・サックス(GS)が数十億ページ分の関連資料を送り付ける非協力的な行為があったと批判、強制力のある文書を発布して適切な内容の再提出を要求した。 GSは調査能力を超えるような大量の電子データを送付したといい、委員会幹部は「混乱させるための周到な行為だ。想像以上に隠し事をしているかもしれない」と激怒した。同委員会は今年1月から約1年の予定で危機の真相解明を進めており、多数の金融機関に資料提出を求めている。 一方、GS側は「今後も要求された情報を提供することを約束する」とコメントした。(共同)
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