「この子はつい先日、下の学年から飛び級してきたばかりなんです。ニューフェース同士、きっと仲良くできますよ」 6歳の時にオランダに移住した筆者の娘は、当初はオランダ語を話せない子供が通う「移民のための学校」に通い始めた。この学校で1年ほどかけてオランダの学校生活に必要な語彙を身に着け、一般的な小学校に転入していくことが期待されるシステムだ。 そこでのオランダ語習得を終え、満を持して地元の公立校に学年の途中から転入することになった娘を連れ、入学前のあいさつで編入クラスを訪れた時のこと。担任の教師が、クラスの中から一人の少女を特別に呼び寄せ娘に紹介したのだ。 金髪のオランダ人の女児と日本人である娘との間には、一見すると共通点は無い。何故その子だけ特別に紹介されたのかと訝しむ筆者と夫に、同席していた校長先生が冒頭の言葉で、その少女が飛び級してきたばかりの年下のクラスメイトなのだと教えてくれた。 我