ただメモを取っていても無意味 時は1960年代、場所はドイツ。とある役所にビール醸造人の息子がいました。 その名は、ニクラス・ルーマン。法学部に進んだものの、弁護士として依頼人のために働くのは気が進まず、公務員の道を選びました。しかし、行政のキャリアも人間関係が重要なので向いていないと自覚したルーマンは、9時から5時まで働いたらすぐに家に帰り、いちばんの楽しみに没頭しました。読書をして、哲学、組織理論、社会学への幅広い関心を満たすことです。 彼は印象深いことがらに出会ったり、何かを考えついたりしたら、すぐにメモに書き留めました。現代では、多くの人が夜になると自分の関心を追って読書をします。メモをとる人もいます。でも、読書によってルーマンのように途方もないキャリアを送った人はほとんどいません。 しばらくふつうの人と同じようなメモをとり、本の余白にコメントを書いたり、トピック別に手書きのメモを