妻もわたしも、ずっとフルタイムの共働きだった。二人で新しい住まいに暮らし始めた頃は、妻は病院勤務で早朝から深夜まで働きづめだった。わたしのほうが、朝ゆっくり出て、早くに帰ってくる。 家事をするのが、当たり前だった。 40代の夫が自分の夕食を作ること、お風呂場にタオルを置くこと、仕事が早く終わった時に「娘をサッカーの練習場に迎えに行こうか?」と聞いてくれることをラッキーだと言うのは、夫が大の大人という事を無視して、普通であるべき事を過大評価している。 大人が自分の事をやっている事はすごくも何ともない。問題は、それさえやらない事だ。当たり前にやっていることをラッキーだといわれると、わたしもモヤモヤした気持ちになる。 わたしは、掃除機をかけて、洗濯機を回して、ベランダに布団を干して、窓を開け放して家じゅうの空気を入れ替える休日の朝が、とても好きだ。それがわたしにとっての日常で、それを妻が特別に思