11月11日に発表された「cakesクリエイターコンテスト2020」の結果が話題を呼んでいる。優秀賞を受賞した『ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした』という記事が、SNS上で「社会的弱者への配慮に欠けている」との批判を受けたからだ。これまで社会から排斥された人々を数多く取材してきたルポライターの鈴木大介氏が、今回の「炎上騒動」を論じた。 炎上で感じた「苦みを伴う懐かしさ」 今回、cakesと「ホームレス探訪記」に対する炎上騒動の経緯に目を通して、何とも言い難い気持ちになった。 怒り? 腹は立つが、それだけじゃない。 呆れ? いや、それも違う。 ああこれは、あれだ。 子ども時代にめちゃめちゃハマっていた「痛々しい世界観の漫画」を読み返してしまった時の、あの感じ。成人してから中学生時代の教科書に書いたポエムを読み返すような……「苦みを伴う懐かしさ」だ。 自らの過去を少々懺