世の中のこと、自分のこと、未来のこと… 子どもには、できるだけありのままに教えている。死とセックス、ゲームと勉強については、特に念入りに説明してきている。たいていのことは上手くいったが、見かねた嫁さんがフォローしてくれるときもあった。 ところが問題がある。「戦争」をどうやって教えるかだ。 それこそ、『いわゆる』世界史とは欧米の戦史でもあるので、中高で学べばよい、という見方もできる。あるいは、レマルクや大岡昇平でも読めば想像もつくだろう。 だが、今の戦争の現場はずいぶんと違ってしまっている。その本質は「欲望」から発していることに今も昔も変わりない一方で、戦争を構成する要素―― 戦場、兵士、民間人の定義ががらりと変わってしまっている。「西部戦線異常なし」の「戦線」は、最早意味をなさない。 さらに、戦争の現場とその原因との間に、あまりにも沢山の要素が複雑に絡み合っているため、想像力が追いつかなく
![子どもに戦争を教えるためのファンタジー「弟の戦争」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/15a0200e4e07fe1cc7d1d823a40a067a2f708e51/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fdain.cocolog-nifty.com%2Fmyblog%2Fimages%2Fsugohon.jpg)