2016-07-25 深夜の池袋のファーストフード店で、ナンパに出くわしたときに女が内心思っていること《川代ノート》 「ねえ、じゃあさ、はっきり言うわ。LINE教えて」 池袋某所、23時43分。 チャラチャラした男の声が、左から聞こえる。 はあ、と思わずため息が出た。 どうしてこんなことになってしまったんだろう。 「サキ、お疲れ〜」 「お疲れ様で〜す」 私はただ、仕事を終え、帰路につこうとしていただけだった。 そこでちょっと寄り道してしまっただけだ。 ああ、疲れた。お腹すいた、とつぶやきながら池袋駅までの道を歩く。 書店員もなかなかハードだ。今日も終電近くなってしまった。 早く帰ってベッドに飛び込みたかったけれど、どうしても空腹を抑えきれなかった私は、目に付いたファーストフード店に入った。 ちょっとハンバーガーとポテトでも食べて、残ってる仕事片付けて、ちゃっと帰ろう。 そう思っていただけな