※ 前編はこちら。 うちには子どもがいない。人の親になる覚悟が私にはまだないので、つくっていない。 私にとってはこれだけの話なのだが、世間的には結婚して七年目の夫婦であれば子どものひとりふたりいるのが“ふつう”なので、「なにか深刻な事情があるのでは……」と思いたがる人がときどきいる。 私は何事についても「私は私、他人は他人」なほうだし、なにより現在の状況は自らの選択の結果なので、そのことに気後れのようなものはもちろんない。 だから、人から子どもの有無を訊かれることに抵抗はない。未婚か既婚か、子どもがいるのかいないのかというのはその人の生活を決定づける要素であるから、相手が初対面やそれに近い関係の場合、そこが判明すると会話の幅が一気に広がる。知り合ったばかりの人にどうしてそんなプライベートなことを話さなくちゃならないのとむっとする人もいるだろうが、私にとっては「ご実家はどちらで?」という質問