パッケージソフトウエア製品やクラウドサービスをグローバルで展開する巨大ITベンダーといえば、そのほぼ全てが米国企業だ。グーグル(Google)やアマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)、マイクロソフト(Microsoft)、オラクル(Oracle)……。当然、人月商売に明け暮れる日本の大手ITベンダーはグローバルどころか、国内でも存在感が薄くなる一方で、その差にもはやため息すら出ない。 だが、唯一の例外がある。言わずと知れたERP(統合基幹業務システム)最大手の欧州SAPだ。ドイツが生んだこの巨大ITベンダーは今のところ、オラクルやマイクロソフトなど米国のITベンダーの挑戦を退け、ERPで世界トップシェアを維持している。 実は、私にとってこのSAPは謎だった。なぜドイツで米国企業をしのぐ巨大ITベンダーが誕生したのか。だってそうだろう。「ドイツは日本と似ている」