絵画は心の栄養剤 東京・麻布十番の閑静な通りに面して、外国人が運営するギャラリーがある。銀座をはじめ東京には多くのギャラリーがあるが、外国人が運営しているのは珍しい。オーナーは、美術とは縁遠い製薬会社のドイツ人社長、ヘルマン・ストレンガーさん(50)。なぜ日本でギャラリーを開いたのか。(渋沢和彦) ストレンガーさんは、日本に足かけ16年滞在、日本語すらすらで、英語、フランス語と合わせて4カ国語に堪能だ。 製薬会社の社長として多忙な毎日をおくる中で、「仕事をしているだけでいいのか」という疑問が心のどこかにあった。そして昨年8月、50歳を迎え、「いままでの人生で何かやり残していることがある」と自覚したという。 ストレンガーさんは8歳のとき、父親と美術館へ行ったことがきっかけで絵が好きになった。「フリードリッヒ(ドイツ・ロマン派)の絵でした。そのとき見た風景画はいまもよく覚えています」 海外出張