桜と言えば、日本。日本と言えば、桜――。古来、そういうことになっているが、中国人は日本で花見をすることに、我々が想像する以上に憧れているのだそうだ。春浅き日から開花予測をチェックし、訪日日程を決めるほどの熱の入れようだ。そう言われれば悪い気はしないものの、なぜなのだろうという疑問は残る。そのナゾを解くべく、中国の事情に詳しいジャーナリストの中島恵さんに、彼らの深層心理について寄稿してもらった。 「毎日ネットで日本の桜の開花予測をチェックしています。だって、桜の開花シーズンは混み合うので、急に日本旅行のチケットが取れるわけではないし、タイミングよく桜が見られるか心配じゃないですか」 北京在住の主婦、趙さん(51歳)は「桜の話」になるとソワソワする。中国在住の中国人なのに、わざわざ日本の桜の開花予測をチェックしているとは驚きだ。もちろん、中国には桜の開花予測というものは存在しない、日本独自のも