トヨタグループの奥の院、豊田中央研究所(豊田中研)。自動車技術の先行研究を手掛ける研究所と思われがちだが、本来はクルマの次の飯のタネ、つまり新規事業の開発が使命だったという。米ミシガン大学教授と豊田中研の2足のわらじを履きながら研究を続け、現在は豊田中研の代表取締役所長を務めるミシガン大名誉教授の菊池 昇氏に、豊田中研の成り立ちと役割、研究に対する信念などを聞いた。(聞き手は木崎健太郎、中山 力=日経クロステック) 菊池昇(きくち・のぼる) 豊田中央研究所 代表取締役所長/ミシガン大学機械工学科 名誉教授(Roger L. McCarthy Professor Emeritus of Mechanical Engineering) 1951年生まれ。74年東京工業大学工学部土木工学科卒業、75年米テキサス大学応用力学科修士課程修了、77年同航空工学科博士課程修了。79年同航空工学科助教授、