異次元緩和Ⅱでミニバブルを作り、これに慢心して、緊縮型予算を組み、FRBのゼロ金利解除のリスクはまるで無視だったのに、年明けに円高株安に振れるや、慌てて外国人経済学者を呼び、財政出動路線を打ち上げ、春から大型の補正をやると言い出す。アベノミクスとは、強気と狼狽の混合物らしい。 ところが、足元では、消費が底入れしたと見られ、1-3月期のGDPはプラス成長だろう。この局面で、補正のアクセルを吹かせば、効果はあるにしても、その後の剥落のブレーキも同時に用意することになる。こうした変動の激しさは、成長の基盤を壊しかねない。エコ・ポイントで翻弄し、電機業界を死地に追いやった経験は、未だ教訓になっていないようだ。 ……… 3月の日銀短観は、急速な円高株安を受けて、大きく低下した。しかし、円・株は異次元緩和Ⅱ前の水準に戻っただけであり、当時に危機感があったわけではない。皆、慌て過ぎではないか。無意識に、