日本語で甲高い声を「黄色い声」と表現するように、高い音は明るい色、低い音は暗い色で言い表す傾向は世界の言語で広く共通している。京都大霊長類研究所と独・シャリテ医科大のグループは、こうした本来は関係のない事象を連想する「共感覚的知覚」がチンパンジーにもあることを突き止めた。進化の過程でヒトがどのように言語を獲得したかを探る手掛かりになるという。研究成果は米国科学アカデミー紀要電子版に5日掲載された。 音の高低を色で示す表現は他にも、スペイン語で高い声を「白い声」、ドイツ語で低い声を「暗い声」などと表しており、「高=明」「低=暗」の関係が共通する。理由は不明で「生得的な脳の神経間の結合による」「言語や文化の相互作用により獲得された」などの説がある。 研究グループは、言葉を持たないチンパンジーでそれが起きるか実験した。 まず6頭にコンピューター画面で白か黒の図形を一瞬示し、その後、画面に現れた白