東日本大震災の津波で校舎が破壊された宮城県名取市の県立宮城農業高校で、津波にさらわれた実習用の乳牛34頭のうち14頭が生き延びて戻ってきた。 生存をあきらめていた学校関係者は「よく生きていてくれた」と喜び、牛とともに学校の再生を誓っている。 地震発生の3月11日、同高実習助手の渥美勇人さん(36)は牛舎で調教について生徒約10人と実習していた。津波の警報を受けて生徒といったん校舎に避難したが、「牛を助けなければ」と引き返した。だが、全頭を避難させることはできない。「せめて逃げてくれ」との思いで牛の首輪を外した。牛舎近くの高台のやぐらに避難した渥美さんは、牛たちが濁流にのまれ、苦しそうに顔だけを出してもがく姿を見た。「生きてくれ」と祈ることしかできなかった。 ところが、この日の晩のうちに5、6頭が高台まで帰ってきた。さらに2日後には、数頭がけがを負いながらも戻った。「よく戻ってきてくれた」。
津波で全壊した越喜来小。校舎2階から道路につながる津波避難階段が迅速な避難に役立った=23日、大船渡市三陸町 津波で屋根しか見えなくなった越喜来小。屋上にいるのは逃げ込んだ大学生で、幸い無事だったという=3月11日午後3時25分ごろ、大船渡市三陸町(住民提供) 海岸からわずか200メートルの低地にある大船渡市三陸町の越喜来小は、東日本大震災の津波で校舎が全壊しながらも、児童73人と職員13人が全員、無事に避難した。命を救ったのは、校舎2階と市道を結んで新設された避難階段と高い防災意識だった。 ◎より早く、より高く一貫/新設の避難階段 生かす 「早く逃げろ」。遠藤耕生副校長(50)は各教室に声を掛けて回り、避難階段の鍵を開けた。 3月11日午後2時46分。1年生は下校間際、2~6年生は6時間目が始まったばかりだ。校内放送で、机の下に隠れるよう呼び掛けようとしたが、停電でスイッチが入らない
昨年10月のたばこの値上げ以降、格安で海外のたばこを販売する業者のサイトが増えている。インターネットで気軽に注文できるが、多くは関税を免れるれっきとした脱税行為。故意に税金を逃れようとすれば、懲役刑や罰金に処されることもある。安いからといって安易に購入してはいけない。(道丸摩耶)本来は課税対象 「昨年10月以降、たばこ3~4カートンを個人輸入する例が増えています」と明かすのは、東京税関成田航空貨物出張所だ。 個人輸入であっても、紙巻きたばこには1本当たり約12円が課税される。例えば、あるサイトで売られていたマイルドセブンは1箱330円。課税されると570円となり、国内より割高となる。しかし、税関は全ての郵便物を開封しているわけではなく、別の品目と偽って輸入し、徴税を免れようとする例が後を絶たない。 こうした「個人輸入」を助長しているのが、輸入代行を名乗る業者の存在だ。 「輸入たばこは課税対
【ロンドン=大内佐紀】盗聴疑惑で批判にさらされる英国の大衆日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドが今月10日を最後に廃刊されることが7日夕、決まった。 親会社ニューズ・インターナショナル社の会長で、メディア王ルパート・マードック氏の次男ジェームズ氏が声明で発表した。 同紙は1843年の創刊で、発行部数は約265万部と英日曜タブロイド紙で最大の部数を誇っていた。 同紙をめぐっては芸能人や政治家に加え、殺人やテロの被害者やアフガニスタンなどでの英軍戦死者の遺族の携帯電話の留守番メッセージを盗聴していた新疑惑が発覚。英政界からも厳しく糾弾されていた。 声明では「新疑惑が事実とすれば非人道的であり、ニューズ・インターナショナル社として許し難い」との立場を示した。同社は、ルパート・マードック氏が会長を務めるニューズ・コーポレーション社の英国の子会社で、ほかに高級紙タイムズとサンデー・タイムズ、大衆紙サン
愛媛県今治市で小学校の校庭から飛び出たサッカーボールをオートバイの80歳代男性が避けようとして転倒、その際のけがが原因で死亡した事故を巡り、大阪府内の遺族が訴えた民事訴訟で、大阪地裁がボールを蹴った当時小学5年の少年(19)の過失を認め、両親に約1500万円の賠償を命じた。校庭でのボール遊びが、高額の賠償命令につながったのはなぜか。 判決(6月27日)などによると、2004年2月の事故時は放課後で、少年は校庭のサッカーゴールに向け、ボールを蹴っていた。ゴール後方に高さ約1・3メートルの門扉とフェンス、その外側に幅約2メートルの溝があったが、ボールは双方を越え、男性が転倒した道路まで届いた。 裁判で少年側は「校庭でボールを使って遊ぶのは自然なこと」と主張したが、判決は「蹴り方次第でボールが道路に飛び出し、事故が起きることを予見できた」と過失を認定した。法律上、過失とは「注意を怠り、結果の発生
菅首相が運転停止中の原子力発電所の再稼働を進める政府方針を覆し、ストレステスト(耐性検査)などの新基準作成を指示したことに、与野党から強い批判の声が上がっている。 ただ、首相を退陣に追い込む方策は見当たらないままで、首相がいくら失策を重ねても致命傷には至らない奇妙な状況となっている。 民主党の岡田幹事長は7日の記者会見で政府の混乱を批判する一方、「与党の幹事長として、基準が途中で変わってしまったことは大変申し訳なかった」と神妙に謝罪した。党内では「首相に代わって低姿勢を示すことで、逆に首相の責任を明確にするのが狙いではないか」という声が出た。 野党からも、「国民の不安と混乱を助長するものだ」(谷垣自民党総裁)、「政府が自ら積み上げてきた手続きを突如として覆し、現場に混乱を与える。いわば『不信ばらまき内閣』だ」(山口公明党代表)などの批判が相次いだ。自民党の古賀誠元幹事長は「あまりにも立派な
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