ブックマーク / www.ele-king.net (10)

  • RIP Holger Czukay | ele-king

    野田努 昨日ネットのニュースを散見したところ、どうやら9月5日、ホルガー・シューカイがケルンの自宅で死んでいるのをアパートの隣人によって発見されたそうだ。79歳だった。 シューカイは、クラウトロックにおけるもっとも重要なバンドのひとつ、カンの主要メンバーであり、パンク以降のロック・ミュージックおよびエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えた人物である。 ぼくに限らず、カンをいまでも好きな人は世界中にいるし、サルバドール・ダリに似たホルガー・シューカイを心から尊敬している人もたくさんいる。彼は前衛であり、同時にポップだった。戦争を記憶している世代であり、それがゆえの国境の無さ/アイデンティティの刷新力が、非西欧音楽への好奇心にも繋がり、1960年代末の時点ですでに作品にも残している。できないこと(can't)をやってのけ(can)、実験的でありながら商業的にもヒットしたし、知的であり

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    imatomo78 2017/09/07
  • Chicano Batman | ele-king

    チカーノという言葉をきいて、何を想像するだろう。ある人は、ギャング、ある人はローライダーやズートスーツ、ある人は、スパングリッシュを想像し、その音楽は、ウエストサイド・ヒップホップか、サンタナのようなラテンロック、またはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのようなラディカルなものを想像するかもしれない。そして、チカーノたちは、メキシコ系米国移民で、米国籍を持っているが、彼らの親たちは、何十年も米国に暮らし、その発展を支えながらも、突然、強制送還される場合がある、ということを知っている人もいるだろう。米国の人気テレビシリーズ、『アグリー・ベティ』の主人公ベティは、チカーナ(チカーノの女性形)であり、父親は不法移民である。 そんな、「チカーノ」に、アメコミから生まれた、スーパー・ヒーロー、バットマンを掛け合わせた名前を持つ、最高なバンドがいる。それが、ロサンゼルスの、中南米系移民居住区で結成され

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    imatomo78 2017/07/05
  • 第19回:ウヨクとモリッシーとサヨク | ele-king

    「俺、UKIP支持に回るかも」 と隣家の息子が漏らしていたというのは数カ月前に書いた話だ。 リベラルでお洒落なゲイ街にはレインボウ・フラッグがはためいているが、貧民街の家々には聖ジョージの旗が掲げてあり、それはまるで、もはや「自分はイングリッシュである」ということしか誇るものがなくなった白屑(ホワイト・トラッシュ)の最後の砦のようだ。と書いたのは一昨年の話だ。 つまり、ずっと前から予感はあった。 5月23日のEU議会選(地方選とセットで行われた地域もある。ブライトンはEU議会選オンリーだった)が近づくと、それは一気に明らかになった。貧民街の家々の窓に右翼政党「UKIP」支持のステッカーが貼られ始めたのだ。だいたい貧民街では選挙前に政党のステッカー貼ってる人なんていなかった。ミドルクラスなエリアに行くと緑の党や労働党のステッカーが貼られていて、玄関先にフラワーバスケットが下がっているようなお

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    imatomo78 2017/06/13
  • Run The Jewels | ele-king

    エル・Pは「黒さ」という価値観に従属しないところが際立っていたというか、音もサンプリングの仕方が独特でプログレを彷彿とさせるサウンドが生まれたり、トレント・レズナーやマーズ・ヴォルタとも共演したりとロック寄りでもある。 (吉田) 黒いグルーヴじゃなくて、インダストリアルとして表出したのが、エル・Pとカンパニー・フロウの特異性だったんですよね。(二木) 前作がさまざまなメディアで年間ベストに選ばれたヒップホップ・デュオ、ラン・ザ・ジュエルズ。かれらがついに3枚めのアルバムを発表しました。ポリティカルなメッセージを発する一方で、じつはダーティなリリックも満載、そのうえトラックはかなりいびつ。にもかかわらずチャートで1位を獲っちゃうこのふたり組は、いったい何者なんでしょう? いったいRTJの何がそんなにすごいのか? このデュオのことをよく知る吉田雅史と二木信のふたりに、熱く熱く語っていただきまし

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    imatomo78 2017/05/04
  • Arthur Verocai | ele-king

    2016年の末、アジムスが5年ぶりの新作『フェニックス』で復活した。そして、同じくブラジルの伝説的アーティストであるアルトゥール・ヴェロカイも、新作『ノー・ヴー・ドゥ・ウルブ』を発表した。2016年にアルトゥール・ヴェロカイはジェイムスズーの『フール』にゲスト参加し、また2014年にはUKの〈ファー・アウト・レコーディングス〉のディスコ・プロジェクトであるファー・アウト・モンスター・ディスコ・オーケストラにフィーチャーされるなど、ところどころで彼の名前は目にしていた。しかし、自身の作品となると、2010年にUSの〈モチーラ〉からリリースされた『タイムレス』(録音は2009年)より7年ぶりのレコーディングである。ロサンゼルス録音の『タイムレス』は、アジムスのメンバーやアイアートなどブラジルの大物ミュージシャンから、ミゲル・アトウッド・ファーガソンまで幅広い面々が参加したライヴ・レコーディング

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    imatomo78 2017/03/30
  • interview with Jeff Mills | ele-king

    まず確認しておくべきことがある。ザ・ウィザード時代に高速でヒップホップをミックスし、その後URのメンバーとしてヨーロッパを震撼させ、ソロでミニマル・テクノのフロンティアを切り拓いたあのジェフ・ミルズが、なんと今度はクラシックに取り組んだ! という意外性が重要なのではない。彼が幼い頃からSF映画などを通してクラシックに触れてきたであろうことを想像すると、今回のオーケストラとの共作がこれまでの彼の音楽的志向から大きく外れたものであると考えることはできない(実際この10年、彼はオーケストラとの共演を何度も重ねてきた)し、そもそもジェフ・ミルズのルーツであるディスコやハウスがいわば何でもアリの、それこそロックを上回るくらいの雑性を具えたジャンルであったことを思い返すと、今回のアルバムがエレクトロニック・ミュージックからかけ離れたオーケストラの生演奏とがっつり向き合っていることも、これと言って驚く

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    imatomo78 2017/02/23
  • 第33回:パンと薔薇。と党首選 | ele-king

    それはある晴れた夏の日のことだった。 気質であまり明るい人間ではない筈のうちの連合いが、爽やかな笑顔を浮かべてロンドンから帰って来た。癌の検査で病院に行って来た男が、また何が嬉しくてこんな陽気な顔で帰ってきたのだろうと訝っていると、彼は言った。 「ロンドンがいい感じだったよ」 「いい感じって?何処が?」 「いや全体的に」 と言って口元を緩ませている。 「なんか、昔のロンドンみたいだ。俺が育った頃の、昔のワーキングクラスのコミュニティーっつうか、そういう息吹があった」 相変わらずわかりづらい抽象的なことしか言わないので、具体的にどんな事象が発生したのでその「息吹」とやらを知覚したのかと問いただしてみると、こういうことだった。 自分が行くべき病院の場所を知らなかった連合いは、ヴィクトリア駅前のバスターミナルに立っていた。おぼろげにこっち方面のバスだろうなあ、と思いながらバス停のひとつに立って

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    imatomo78 2016/12/20
  • Leonard Cohen | ele-king

    ヒネニ、ヒネニ 神よ、準備はできている “ユー・ウォント・イット・ダーカー” 自分の死を予見していたとしか思えない。デヴィッド・ボウイの『★』ほどコンセプチュアルではないにせよ、2010年代に入ってからの『オールド・アイディアズ』(2012)、『ポピュラー・プロブレムス』(2014)、そして作『ユー・ウォント・イット・ダーカー』は20世紀を代表する詩人が自らの晩年と死期を綴った連作だと……訃報のあとの現在からはよりいっそう感じられてしまう。ただ、まだ彼がこちら側にいた頃――ほんの数週間前だ――、作を聴いた自分の頭に浮かんだのは「まだ自分にはわからない」ということで、それはコーエンが82歳を迎え死と対峙していることをその時点でたしかに嗅ぎ取っていたからだ。 たとえば先日他界したアンジェイ・ワイダの結果的な遺作『ワレサ 連帯の男』が20世紀のかつての理想主義を描いていたように、あるいはイー

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    imatomo78 2016/11/15
  • 第35回:花と血の時代 | ele-king

    テロルである。 またもや欧州でテロル勃発。今回は規模が大きいぞってんで、すわ戦争か。とゴリラのように拳で胸を連打しているマッチョな人たちがあんまり多いもんだから、なんだか息苦しいわ。と思って、ちょっとまじめな記事を書いたらとんでもないことになり、いやネットのニュースサイトってのは半端ない。間違ってトップページにでも出ようもんなら、違う考え方を持つネット政治運動家の方々から、文体は硬質なのに内容な粘質。みたいな抗議、嫌がらせのメールがわらわらと殺到し、布団を被ってぶるぶる震えていたのですが、実はあの日は同じサイトのエンタメ欄のほうでも、「チャーリー・シーン、ゴムを使わずにセックスしたのは2人だけ」という当方の記事がアクセス1位を達成していたのですが、その辺りを突いてきたメールは1通もなかったので、ちっ。と思いました。 まあ、そんな話はどうでもいいか。 ******* 翌日、いつものように子を

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    imatomo78 2016/10/31
  • Wilco | ele-king

    「昔の自分を思い出してみる/運転できるようになる前の、投票できるようになる前の/ずっと、恨みを抱えていた/知らなかったから、ひとが簡単に死んでしまうこともあると」 そんな言葉からウィルコの10作めのアルバムは幕を開ける。明らかに「投票したくない」という表明のようだ。ほとんど醜い取っ組み合いの様相を示しているテレビ討論会にツイッターのタイムラインが沸いたところで、あとに残るのは虚しさばかりだろう。もちろん、ウィルコのような政治的に誠実でリベラルなバンドが投票を棄権するとは思えないが、それでもエレクション・イヤーにこのような気だるい言葉で始まるアルバムを現代のアメリカン・ロックを代表するバンドが発表することに、示唆的なものを感じる。タイトルは“ノーマル・アメリカン・キッズ”――“アッシェズ・オブ・アメリカン・フラッグス(アメリカ国旗の灰)”以来はじめて「アメリカン」を冠したこの曲では、そして、

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    imatomo78 2016/10/31
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