今年5月、東京電力などの110万ボルト(1100キロボルト)超高電圧(UHV)送電線網技術が、国際電気標準会議(IEC)で国際標準として認められた。日本の技術が国際標準化機関の“お墨付き”を得て世界規格となる例は珍しく、技術の優位性が実証された。UHVは日本で現在運用している55万ボルト送電線に比べ約3〜4倍の大量送電ができるほか、送電ルート(回線)削減や送電ロスの低減などでコスト削減や大幅な省エネも図れる。国際標準化によって世界に普及すれば、地球環境の保護にも貢献すると期待が高まっている。 ◆欧米の壁…苦節30年 UHVは将来の電力需要拡大を見込んで、送電網の効率化、送電ロスの低減などを図るため、1970年代から電力中央研究所などと共同で技術開発してきたが、約30年かけた開発と国際標準化の道のりは平坦(へいたん)ではなかった。 メーンとなる送電線の開発を担当した電中研は78年から本