コメの品薄が話題になっている中で、いまその原因についてさまざまな分析や検証が進んでいる。インバウンドの外国人によるコメの消費量が増えたとか、気候変動の影響などが指摘されているが、問題の本質は日本の農業政策そのものにある、という指摘も数多い。 地方の農家の数は、毎年すさまじい勢いで減少し続けており、耕作面積も年々確実に減少している。とりわけ、ロシアによるウクライナ侵攻以来、世界的な食料不足が叫ばれ、今や食料政策は軍事力同様に重要な防衛要因となっている。 そんな状況の中で、今年の5月に改正された「食料・農業・農村基本法」(以下、基本法)が注目されている。今後の日本の食料行政、農業行政に大きな影響を与える改正と言っていいだろう。にもかかわらず、マスコミではあまり注目されていない。日本の食料事情や農業行政の根幹に関わる大きなターニングポイントとなるのか……。基本法の概要と我々への影響を考える。 輸