ビジネス文書、年賀状やちょっとした挨拶状、日々のメールなど、ぼくらは様々な文章を書いて暮らしている。でも、本当の”自分の文章”を書いているかというと、どうも自信がない。現在、大学で学んでいる学生たちも、「自分らしい文章とは何か」という疑問を抱いているようだ。 この本『13日間で「名文」を書けるようになる方法』は、テレビなどでもおなじみの作家・評論家で、明治学院大学教授でもある高橋源一郎氏の、明治学院大学での講義録だ。学生とのやり取りもそのままに、授業の息づかいを感じられるスタイルとなっている。高橋氏の学生に対する目線は真摯で、率直で、優しい。学生の発言も活発で、「こんないい先生居たかなぁ、居たらなぁ……」と嘆息させられるような授業風景だ。高橋氏の豊かな教養に基づいた幅広いテキスト選びも、ちょっと他の授業ではお目にかかれないだろう。 しかし、短く簡潔でわかりやすい自己紹介文の例に、「本番OK