ルカになるとさすがにヘレニズム色が濃い。 マタイはなかなか含蓄がある。 まず、冒頭ダビデの系図があるがだが、これが父系ということもあるのだが、ヨハネにつながっている。当然、ヨハネの血統はイエスにはつながらない。 この系図だが、英語ではbegatを使っていたはず。で、ギリシア語では、ちと忘れたが、語源は「種とする」だったか。つまり、これは、精子の一貫性なわけだ。 また、この系図、ダビデ神話を踏襲していることもあり、ラハブ、ルツ、ウリヤの妻と蒼々たる暗喩がある。 そして、極めつけ。 イエス・キリストの誕生の次第はこうであった。母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった。夫ヨセフは正しい人であったので、彼女のことが公けになることを好まず、ひそかに離縁しようと決心した。彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配