「世界の人々はグルテンの真実を知ろうとしない」。米ニューヨーク州のフリービルにあるコーネル大学の研究農場で、大学院生リサ・キシング・クーセクは冗談交じりに言うと、自らが発見した「真実」を語ってくれた。 その研究結果がついに広く知られるようになる。「グルテンに関するガイドライン」が、定期刊行物「食品科学と食品安全の包括的レビュー」に掲載されたからだ。同ガイドのために、キシング・クーセクと共同研究者たちは200以上の科学研究論文を精査し、小麦の種類と加工法が人体にどう影響するのか調査した。 グルテンだけに注目すべきじゃない その結論は控えめなもので、「小麦は食べるな」的な宣告とは程遠かった。 キシング・クーセクはまず、グルテンとそれに関連する病理学を調べた。「グルテンだけに注目すると沢山のことを見逃してしまう。だから実際に何が起きているのかを知るために、私は小麦全体に注意を払った」と彼女は言う