PCの周辺機器、モバイル端末、情報家電などの組み込みシステムにおけるセキュリティレベルは二極化している。設計から実装にいたるまで十分なセキュリティ対策を施した製品がある一方で、これまで汎用システムで長い年月をかけて学んできた歴史が生かされず、古典的な脆弱性を大量に作り込んでいる製品も多い。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が4月6日に行った「IPA組み込みセキュリティワークショップ」で講演した米eEye Digital Securityのシニアリサーチエンジニアの鵜飼裕司氏は、そう指摘し、ブロードバンドルータの事例を挙げて実際のクラック手法を説明した。 脆弱性の本質は、多くの場合汎用システムと同じ バッファオーバーフロー、コマンドインジェクション、ディレクトリトラバーサル、クロスサイトスクリプティング、DoS攻撃、認証バイパス……、こうしたクライアントPCやサーバの世界で常套手段とな