米THOMSON REUTERS社は、米国の科学研究や共同研究の推移、世界における地位などを分析した調査報告書「Global Research Report: United States」を発表した。同報告書は、米国は研究の最先端を走ってはいるものの、もはや「科学大国」ではなく、欧州やアジア太平洋諸国の研究成果との差に縮小がみられ、一部は後れを取りつつある---と結論付けている。
日本のエレクトロニクス産業は90年代に入ってなぜ大きく競争力を落としてしまったのか,サブプライムローンに端を発する大不況下でその「構造」は変わったのか,そして再び競争力を取り戻すにはどうしたらよいのか--。野村総合研究所コンサルティング事業本部情報・通信コンサルティング部上級コンサルタントの藤浪啓氏とこの日本製造業が直面する難問について話し合ってみた。きっかけは,有機エレクトロニクス材料研究会の昨年夏の「合宿」で相部屋となってご一緒させていただき,夜通し議論させていただいたことである(関連のNEブログ)。 同研究会とはその後セミナーと書籍を共同で企画し,藤浪氏には書籍で市場動向について寄稿いただいたが,日本のエレクトロニクス産業が抱える構造的な問題についても解説してもらった。その内容は,有機材料分野の専門家だけでなく製造業にかかわる多くの方々にとっても参考になるものだと思える。 そこでこの
日産自動車は、2010年度に日・米で市場投入する新開発EV(電気自動車)で、電池交換式の構造を検討する。Liイオン2次電池は車体のフロア下に面状に配置し、専用の電池交換ステーションで、車体下側から電池を交換する。
旭化成ホームズ(本社東京)は,旭化成,旭化成ケミカルズ(本社東京)と共同で,耐久性と防汚性に優れた光触媒塗料「デュラ光」を開発した。戸建て住宅の「ヘーベルハウス」と集合住宅の「ヘーベルメゾン」向けに,建物外壁表面仕上げのオプションとして2009年7月1日に発売する。 デュラ光の特徴は高圧洗浄などをしなくても,30年にわたって建物外壁の外観を維持できること。このため,メンテナンス費用も低減できる。また,築30年目の外壁防水再塗装工事の際,デュラ光は再塗装できるので建物の耐用年数である60年目まで外壁の外観を維持できるという(図1)。 一般的な光触媒塗装は,光触媒が日照を受けることで「分解力」と「親水性」が生まれる。これにより壁面に汚れが付着することを防ぐ「防汚効果」が発揮される。光が当たらない時にいったん付着した汚れも,光が当たった時に分解され雨が降った時に自動的に洗い流す「セルフクリーニン
産総研が開発した薄膜型熱電変換素子。2cm角で厚さが1μm。p型とn型半導体が交互に並んでいる構造になっている。 エネルギー・ハーベスティング(電力回収,あるいは電力収穫)技術が世界の注目を集め始めた。2009年6月には,英国ケンブリッジや米国シカゴでこのテーマを主要議題の一つとするシンポジウムが相次いで開かれる予定になっている。 この技術は,熱や振動,太陽光,テレビやラジオ用の電波など環境中に遍在しているエネルギーを収穫・回収して電源として利用する技術である。得られる電力は素子単位では必ずしも大きくないが,マイコンや無線通信の消費電力が小さくなってきたことから応用範囲が急速に広がりつつある。重要な応用の一つがセンサ・ネットワークに使われるセンサである。 一般にセンサ1個1個は,電池などのわずかな電力で数カ月~数年動作するほど低消費電力だ。ところが,それが多数になってくると電池の寿命の管理
岩谷産業は、産業技術総合研究所との共同研究で、木質系バイオマスからDME(ジメチルエーテル)を合成することに成功した。研究レベルから大型化した装置を使い、実際に120gのDMEサンプルを得た。ガス1Nm3からDME75g以上を得る収率だ。自動車燃料への応用、LPガスとの混焼などが期待される。
前回は国内半導体メーカーの経営統合を期待する話を書いたが,現実にルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの経営統合や,エルピーダと台湾グループの提携などの動きが表面に出てきた。期待をもって見守りたい。 前回は大局を論じたので,今回は小さな話をしようと思う。私が技術開発や経営の現場で出会った人の話だ。優秀な人材が集まった(と信じたい)半導体業界でひときわ存在感を放った人の話を書き連ねてみると,仕事との向き合い方,組織で仕事を進めるときの心得,といったものに帰納できるような気がした。 「いま困ってること三つ書け」 個人的な話になるが,キャリアの中で私は部下に大変恵まれたが,上司にもまた恵まれたと思っている。その昔,三菱電機の伊丹事業所には「刑事コロンボ」がいた。ご存じない方のために説明すると,コロンボは小柄でよれよれのレイン・コートを着て頭は鳥の巣,ただし推理能力は抜群というロス市警の警部
東北大学金属材料研究所と東京工業大学応用セラミックス研究所は,従来のパラジウム・銀(Pd-Ag)合金と同程度に水素ガスを効率よく分離できるニッケル(Ni)系金属ガラス複合材料製の水素分離膜の開発にメドをつけた。高価なパラジウム・銀合金に対する安価な代替材料として期待している。 開発したニッケル系金属ガラス複合材料は,ニッケル層,リン酸塩ガラス層,ニッケル系金属ガラス層,リン酸塩ガラス層,ニッケル層という5層構造になっている(図)。5層構造の水素分離膜の厚さは約50μmで,大部分をニッケル系金属ガラス層が占めている。 安価な水素分離膜の実用化を目指す東北大金研は,ニッケル・ニオブ・ジルコニウム(Ni-Nb-Zr)合金のアモルファス合金が優れた水素透過能を持つことに着目し,その改良版としてニッケル・ニオブ・ジルコニウム・コバルト(Ni-Nb-Zr-Co)合金を開発し,さらに「銅(Cu)を添加す
中国が「世界の工場」と呼ばれるようになって何年もたつ。今は世界同時不況から中国といえども逃れられず,苦しい企業も少なくないようだ。それでも,人件費は日本の製造業と比べるとまだまだ低いこともあって,これからも成長していくことだろう。40年ほど前の中国を知っている者からすると,隔世の感がある。 昭和43年(1968年),文化大革命のただ中にあった中国から,我々は押し出しプレス機の引き合いを受けた。文化大革命が始まる前年の昭和40年(1965年)に私が北京を訪れて,宇部興産の機械を宣伝したためである。その商談のために,営業から藤井克則課長,設計から谷口博美君の2人が訪中した。しかし,当時はまだ日本と中国の間に国交はなく,正式な取引が難しいという問題があった。そこで,宇部興産ではなく,藤井課長と谷口君の頭文字を取った「藤谷商会」という名前で応札することになった。 ところが,肝心の商談はなかなか進ま
「技術力には自信があるんだけど、どうもカネ儲けがヘタでねぇ」 メーカー在籍時代、さらには記者として多くのメーカーで経営者や技術者にお話をうかがうたびに、耳にタコができるほど聞いたフレーズである。文字で書けば自嘲、反省の弁ともとれるが、実際に生でうかがうとそうでもない。ほとんどの場合、笑顔で、ときに誇らしげに語られるのである。 私も多少は常識をわきまえた社会人なので、そのような場面に遭遇すれば微妙な笑顔で「そうですかぁ」などとあいまいに受け流す。だが、責任ある立場の人からこのような発言が飛び出すと、かつて技術者であった私はそのたびにイラっとしたものだ。発言は「技術者は頑張っていい技術を開発してくれるけど、会社はその成果を利益に結びつけることができない」ことを白状したもので、誇らしげにそれを言うということは「それに関して責任はぜんぜん感じていない」ということだろう。少なくとも私には、そう聞こえ
東日本旅客鉄道(JR東日本)は2009年4月,「JR東日本研究開発センター」内に環境技術を研究する機関「環境技術研究所」を設立する。同社が2008年3月に策定した数値目標を達成するための研究開発を実施。これにより,鉄道の環境技術において「世界の最先端を目指す」(同社)狙いだ。 環境技術研究所では,(1)戦略的に研究開発していく上で必要な調査・研究(2)運転エネルギに関して,新たなエネルギの適用や効率的利用の研究開発(3)再生可能なエネルギや省エネルギ技術の適用に関する基礎的な研究開発----を行う。 具体的には,(1)として環境負荷評価手法を研究するほか,最新の環境技術の鉄道への適用に関する調査や分析,評価などを実施。(2)では,2次電池駆動システム(車載,地上への設置)の開発や,燃料電池を車両へ適用するための研究開発を行う。さらに(3)では,駅などでの省エネルギ空調システムなどを扱う。
経済産業省は2009年3月5日~6日,「人財シンポジウム~社会人基礎力・ジョブカフェ・キャリア教育」を都内で開催した。「学校教育の『正解主義』が学生たちの就労意識を低下させた」---。リクルート出身で,都内の義務教育分野で初めての民間人中学校長となった元杉並区立和田中学校校長の藤原和博氏は,6日のパネルディスカッションに参加し,こう問題提起した。 藤原氏の言う正解主義とは,学校で「問題の答えは一つしかない」という視点で教育をすること。「液体と気体の違いはこう覚えなさい」と,答えを限定して教え込むことで,子供たちは「すべての物事には決まった回答がある」と思い込んでしまうのだという。 ところが,社会人として仕事をするようになると,正解主義では通用しない。「仕事とは,(一緒に仕事をするチームが)ギリギリのベクトル合わせを常に続けること。正解主義ではなく修正主義なのだ」(藤原氏)。若者の離職率が近
現在,半導体製造装置メーカーに突きつけられている課題は,「半導体製造装置市場の成熟化にいかに対処するか」である。かつて「成熟化」などという言葉を口にしようものなら,装置メーカーの上層部から大目玉を食らったものだが,今やこの課題から目をそらそうという人間はいない。
米国特許レポート(1)今度こそ改正なるか米国特許法,先願主義への転換に抵抗勢力まだ強く 前川有希子が斬る 2007年4月,米国の特許法改正案が再び下院議会に提出された。もし,改正案が可決されれば,今後の特許侵害裁判はもちろん,ライセンス交渉においても大きな影響を与えることになる。 米国の特許法改正案は基本的には2005年6月に提出された改正案とほぼ同様の内容だ(Tech-On!関連記事1,同2)。議会はこの特許法改正案を最重要事項のひとつとして認識しており,2007年末までに制定という目標を掲げている。しかし,改正に抵抗する勢力は多く,そのロビー活動も活発になってきているため,改正案が迎える結末は不明だ。 欧州・日本が後押しする先願主義 今回の改正案で最も重要な改正点は,他国と同様に米国も先願主義を採用すること,特許成立後にその有効性について異議を申し立てできる欧州方式の制度を採用すること
米国の特許法の改正を目的とした法律「Patent Reform Act of 2009」が米国議会の上院と下院に同時に提出された(発表資料)。 Patent Reform Act of 2009の最大のポイントは,米国特許法を,現状の「先発明主義」方式から「先願主義」方式に変更して,米国以外の主な先進国に合わせることにある。また,特許の申請プロセスや特許に関する訴訟の負担を減らす狙いの変更が含まれる。これは,米国のIT業界からの要求に応えたものである。実際,米Apple Inc.や米Cisco Systems, Inc.,米Google Inc.,米Microsoft Corp.といった米国の大手IT企業が参加するロビー活動団体「Coalition for Patent Fairness」は,Patent Reform Act of 2009の支援を発表している(発表資料)。 Patent
イノベーションの重要性が叫ばれて久しいが,日本でイノベーションの成果としての新しいコンセプトの製品やビジネスモデルが生み出されているか,となるとどうも心もとない。日本社会の中に何かイノベーションを阻むものがあるのではないか,その「何か」とは日本の過去の成功体験であるキャッチアップモデルではないだろうか---といった趣旨の話を最近聞いた。 松下電器産業(現パナソニック)の副社長だった水野博之氏が,この2月19日に,都内で開かれた「大企業とベンチャーのWIN-WINフォーラム」(主催:経済産業省)というセミナーで行った基調講演の内容である。 「伝道師」の「変化」? 水野氏は,「マネシタ電器」と揶揄された松下電器にいた経験から,キャッチアップ戦略の重要性を説いてきた(例えばNEブログや仲森コラム)。松下幸之助氏から直接の薫陶を受けた最後の世代で,キャッチアップモデルの伝道師ともいうべき水野氏が今
証券取引法違反の疑いで係争中の元ライブドア社長,堀江貴文氏は2008年9月8日,ITproとの単独取材に応じた。堀江氏は8月7日からサイバーエージェントが運営するブログ・サービス「Ameba」で個人ブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」を開設。「思ったことを素直に書きます」と,最高裁判決を前に情報を発信していくことを宣言した。沈黙を破り,約1年半ぶりにメディアの対面取材に応じた堀江氏が,ITを語る。 これまでの沈黙から一転してブログを始めたのはなぜですか。 それは暇なのと,ストレス解消と,メディアに対するけん制ですね。継続中の裁判で一審と二審はあまり目立たないようにということで,2年くらい一方的にメディアに殴られている状況が続いていました。しかし,結局はこういう結果(一審,二審も実刑判決)です。だったら,悪い情報や間違った情報などが流れていたら,ブログできちんと反論していこうかなと。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く