シングルマザーの貧困率は高い。一方、夫がいても、家庭内の問題などで事実上シングルマザーと同じような経済状況に陥ることがある。性風俗で働く女性たちを支援する坂爪真吾氏は、「児童扶養手当などの支援制度は、夫と死別・離婚した女性でないと利用できないことが多い。そのため高収入のデリヘルで働く既婚の母親たちがいる」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、坂爪真吾『性風俗シングルマザー』(集英社新書)の一部を再編集したものです。 ■事実上のワンオペ育児に苦しむ母親たち 人口約80万人の政令指定都市(県庁所在地)、S市。2019(令和元)年8月現在の世帯数は約34万世帯であり、そのうちひとり親世帯(母子・父子)は約4400世帯。そのうちの約4000世帯が母子世帯である。 そのひとり親世帯の統計には含まれないが、夫婦の関係不和や家庭内の問題によって事実上のワンオペ育児を強いられている「隠れシング