毒は武器や、毒そのものの解毒、そして薬など様々な目的で用いられ、毒性学(トキシコロジー)やその他さまざまの学問において飛躍的な進化を遂げてきた。 発見されたのは太古の昔であり、原始においても文明化ののちにも獲物や敵を素早く確実に倒すための道具として使用された。毒の用法は洗練されていき、古代人たちは武器としての威力を高めるため毒と関わり続けてきた。歴史が下り、特にローマ帝国の時代がくると、暗殺というさらに今日的な使い方が現れるようになる。すでに紀元前331年ごろにはディナーテーブルの飲み物に忍ばされた毒がその役目を果たしたことが記録されているし、同様の試みは既に広くなされるようになってきた。この致死性の物質を使うことは、あらゆる社会階層においてみられる。身分の高い人々であっても、目障りな政敵や商売敵を亡き者にするため、しばしば毒を用いてきたのである。 中世ヨーロッパで毒は、殺人術の一つとして