エヴァートンの指揮官に就任して10年を迎えたモイーズ監督。過酷なプレミアリーグでその地位を維持してきただけでも偉業と呼べる【Getty Images】 去る3月14日、エヴァートン監督のデイヴィッド・モイーズは就任10周年を迎えた。過去20年間、プレミアリーグ史上で一つのクラブを連続して10年間以上率いたマネージャーはわずかにサー・アレックス・ファーガソン(マン・ユナイテッド)とアーセン・ヴェンゲル(アーセナル)のみ。モイーズはこの「イングリッシュプレミアの主」とも言うべき二大名将に次ぐ「第三の男」として、歴史的マイルストーンを標したのである。 くしくもその直前に組まれていたマージーサイド・ダービーは、モイーズ政権10周年を寿(ことほ)ぐまたとないメモリアルマッチになるはずだったが、皮肉にも「生来のエヴァトニアン」スティーヴン・ジェラードのハットトリックという“手厳しい祝辞”で幕を閉じた