11月15日、インドネシアの大富豪エリック・トヒルが、インテルの新会長に就任した。クラブ初の外国人オーナーとして内外の注目を集める43歳のメディア王は、米国仕込みのビジネスセンスとアジアの中庸精神を使い分けながら、名門インテルの再建に着手したところだ。 「われわれがやるべき仕事の第一歩は、売り上げアップだ」 インテルの経営はどんぶり勘定そのものだったといっていい。前会長の資産家マッシモ・モラッティは、稀代のロマンチストだった。オーナー職にあった18年9カ月の間に、国内外で16個のタイトルを獲得した。クラブのトロフィールームは埋まったが、金庫には1億8000万ユーロ(約250億円)分の借用書が積みあがった。 ここ2年で計6200万ユーロに上る人件費の大幅カットを断行したにも関わらず、昨季の総売上高は1億6730万ユーロに留まった。トヒルとビジネスパートナーによる買収資金の大部分は赤字の穴埋め