プロ野球の阪神戦を観戦中に興奮した30代の男性ファンからメガホンで頭をたたかれて重傷を負ったとして、大阪市の30代の女性が約1850万円の賠償を求めた訴訟の判決が11日、大阪地裁であった。窪田俊秀裁判官は「メガホンの底の硬い部分が当たっており、常識的にも許されない行為だ」と述べ、男性に約24万円を支払うよう命じた。 判決によると、女性は2004年4月、阪神甲子園球場のアルプス席で、同僚や取引先の従業員の男性ら計約10人でナイターを観戦していた。後ろの席にいた男性が振り下ろしたメガホンの底の部分が女性の頭に当たって打撲傷を負い、約1カ月のけがをした。 男性側は「応援で熱狂した末に起きたもので、違法性はない」などと主張したが、判決は退けた。阪神電鉄の広報担当者は「応援をめぐるトラブルで訴訟に発展した例は聞いたことがない」と話している。(岡本玄、平賀拓哉)