自己バイアスの回路は右の図の通りである。固定バイアスのようにC電源の供給はなく、代わりに、カソードのところに抵抗とコンデンサーが入っているところが特徴である。 では、その下の図で原理の説明をしよう。プレートに流れ込む電流は、そのままカソードから流れ出しR3を通ってグランドへ行く。今、プレート電流をIpとすると、R3の両端には図の向きにR3・Ipという電圧が発生する。この回路定数の例では、Ipには実は2.3mA流れる。したがって1.3kΩの抵抗に2.3 mAの電流が流れ、R3の両端の電圧(電圧降下という)は次のように計算できる。 R3・Ip = 1.3k × 2.3mA = 3V というわけでカソードのところの電位は3Vになる。一方、グリッドだが、グリッドはR1を通してグランドにつながっている。固定バイアスの所で説明したようにR1には電流は流れないので、その両端の電圧は0Vだ。R1の一端はグ