2020年代は、新卒一括採用、年功序列、終身雇用、正社員と非正規社員の処遇差など従来型の雇用慣行が本格的に消えゆくと予想する。既にベンチャー企業や一部の企業においては採用や報酬面で従来型の慣行から脱却する動きがある。保守的な印象のある金融機関でも副業解禁や服装の自由化 などの変化が進みはじめている。いずれも先進的な取り組みとして注目されているが、2020年代には多数派になりゆくと推測する。 多くの「普通の企業」の方向性を推測するには、未来志向のバックキャストよりも、過去と現在を起点にしたフォアキャストで考察することが適していると考える。本稿では各企業で顕在化している人材マネジメントの課題と筆者が過去携わった人事制度改革をベースに、2020年代の方向性を考察したい。