前回、のれんとは何かということについて説明しました。 のれんはほとんどの会社が実質的に保有していますが、通常の状態では財務諸表上には表現されません。のれんが財務諸表に実現するのは、会社が買収されたときです。今回は会社が買収されたとき、どのような形でのれんが財務諸表上に表現されるのかということについて説明します。 のれんという勘定科目はない 世の中でこれだけのれんという言葉が氾濫すると、財務諸表にのれんという名前が存在していると思う人がいるかもしれません。しかし、財務諸表をどんなに穴の開くほど見つめても、そこにはのれんという勘定科目はありません。のれんは財務諸表にはその名前では登場しません。のれんは財務諸表には二つの名前で顔を出します。一つは「営業権」であり、一つは「連結調整勘定」です。財務諸表で営業権と連結調整勘定が出てきたら、それがのれんだと認識してください。したがって、両者に本質的相違