輸送用燃料の代替として、バイオ燃料への期待が高まっている。ガソリンや軽油、ジェット燃料、A重油などの輸送用燃料は、石油需要の半分以上を占める。特に日本は、輸送用燃料の石油依存度が高く、97〜98%にものぼる。世界的に見て、 発電用燃料としての石油依存は減っており代替も可能だ。しかし、輸送用燃料では、石油に代わるものが、なかなか見つからない。世界的な石油供給への不安を背景に、輸送用燃料の石油依存を減らし、燃料の多様化を図る手段として、バイオ燃料が注目を集めているのだ。 バイオ燃料はエネルギー安全保障につながるだけでなく、「カーボンニュートラル」な燃料として地球温暖化対策や持続可能な発展にも貢献できる期待から、大きな関心が寄せられている。中国やインドのモータリゼーションが本格化し、石油消費が急増するなかで、燃費のよい自動車の開発・普及や燃料の多様化は、世界的な課題となっている。バイオ燃料に対す