私が子供のころ、ヒーローというのは勧善懲悪で、悪の組織が繰り出す怪人とか、宇宙から飛来するエイリアンとか、およそ人間にとって敵となる相手に対しては、同情の余地なく完膚なきまでに叩き潰したものです。 ですが、どうも最近のヒーローは悩むものらしい。 なにを悩んでいるのか。 まず、自分が人類の善を背負った正義のヒーローであるということに悩む。 なぜ自分が選ばれたのか悶々として苦しむ。 悪の組織と闘うことに疑問を感じる。 敵を倒す(殺す)ということの是非に悩み、倒したあとは殺人のトラウマに苦しむ 人間らしいといえば人間らしいのだけれど、こんなネガティブな感情をお茶の間にぶつけられても楽しくなさそうだ。ま、世のお母さんたちは、イケメンヒーローが苦悶の表情であがきまわる姿に萌えキュンしちゃってるのかもしれないけど。 これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: マイケルサ
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