ブックマーク / yashio.hatenablog.com (10)

  • 差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお

    小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「

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    ioritorei 2024/04/22
  • 慢性人員不足の負のスパイラルあるある - やしお

    少し前にテレビ番組の「カンブリア宮殿」で、医師1名のクリニックで、高い水準で患者ファーストを実現できている、結局それは人員の大幅増で実現できた、と紹介しているのを見た。 2023年9月21日 放送 おおこうち内科クリニック 院長 大河内 昌弘 (おおこうち まさひろ)氏 |カンブリア宮殿: テレビ東京 その後で、財務省が文科省に「人員不足はどの業界も共通課題なのだから、教員も数のみに頼らず学校運営を効率化すべし」と指摘したという話を見かけて、並べると趣深さがあるなと思った。 「数に頼らない学校運営を」 教員不足への対応で財務省が注文 クリニックは、当初はどんどん人が辞めていく状況にあったと紹介されていて、今の自分の職場もそれに近いところがあるなと身につまされた。 クリニックの取組み 患者ファーストは、 待ち時間が短い 専門外の症状も断らずに見てくれる 先生がきちんと話を聞いてくれる 診断書

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    ioritorei 2023/10/16
  • 中年会社員が部署異動してつらかった話 - やしお

    会社で部署異動になって5ヶ月超が経った。経験のない業務分野で係長クラスになっている。 今まで会社勤めをしていて、業務内容に特にこだわりもなく、それなりにやれてきたから、まあ大丈夫かと思っていたけど、あまり大丈夫じゃなかった。結構つらかったし、割と嫌な気分になっていた。(今は割と大丈夫。) どの辺が辛かったかとかメモに残しておこうと思って。 異動前 大手メーカーに新卒で入社して15年ほど勤めている。 前の職場(比較的製造現場に近い技術系職場)では、4年ほど担当者として働いた後、係長ポジションになって4年ほど働いた(係のメンバーは10名弱)。 異動 同じ事業部門の中で別の課に異動した。異動先の課の業務内容は、漠然とした理解しかなかった。 30名程度の課で、25名の係の係長をしろとのことだった。もともと課の管掌範囲が広いこともあり、十分にマネジメントが機能しておらず、その辺りを助けてほしいみたい

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    ioritorei 2023/08/31
  • ゼルダとジムとやりがい搾取 - やしお

    ここ最近、テレビゲーム「ゼルダの伝説」の新作「ティアーズ オブ ザ キングダム」(TotK)をずっと遊んでいる。当に楽しい。前作「ブレス オブ ザ ワイルド」(BotW)も当に楽しくて、ずっと新作を心待ちにしていた。これだけ大勢の人から大きな期待を集めて、その期待を越えたものをメーカーが出せるのは心底すごいと思う。 それはそれとして、遊んでるとなんか仕事っぽいなという気持ちに時々なる。 仕事っぽさ タスクがどんどん発生する、それをやり方考えてこなしていく、それで忙しい。やることが多い。 この感覚が、やってると「仕事っぽい」という気持ちになる。 前作BotWも同様だけど、今作TotKはやること、やれること、やりたいことがさらに増えていて(アクションの種類がさらに多く、フィールドがさらに広いので)ますますその気持ちになる。 アクションの種類が増えたことで、操作に難儀することが時々ある。(ウ

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    ioritorei 2023/05/31
  • CoCo壱番屋と共に生きる - やしお

    カレーハウスCoCo壱番屋(以下ココイチ)は、定期的に「美味しくない割に高い」と話題になる。そのたびに哀しい。ほとんど腹を立てているくらいの気持ちになっている。ココイチに対して私は冷静な評価はできない。 そうした気持ちがどこから来るのかを一度整理して片付けておく。 「自分のもの」という感覚 家庭料理や自国料理をよその人に貶される感覚に近い。自分で文句を言うのはいい、だが他人に言われるのは許せない、というような感覚。 よく「まずい料理代表」とネタ扱いされるイギリス料理も、最近はその揶揄が「ダサい」と否定されてきている気がする。 世界に先駆けて産業革命に突入したことで文化を不可逆的に破壊されたイギリスを、後追いで産業革命を短期に圧縮できたことで文化を維持できた日が、嘲笑できる立場にあるのだろうかという疑いもある。 そんな切実な背景がココイチにはないとしても、尊重されれば嬉しい。私は美味し

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    ioritorei 2023/03/20
  • 国政選挙で勝つということ - やしお

    自民党総裁選と衆院選を控えて、最大野党の立憲民主党も政策アピールに入っていて、その政策が刺さらない、粒度が変、センスがない、安保も経済もない、と左右両サイドからネットで叩かれる光景をよく見かけて、ちょっと思ったことのメモ。 選挙戦 「選挙で勝つ」には「票をたくさん集める」が必要で、その票には大きく分けて、投票時点での世の中の空気感や、党や候補者のイメージに左右されて入る浮動票と、特定の党や個人に固定的に投票される組織票とがある。投票率が高ければ浮動票の比率も高まり「風が吹く」と言われるような大勝/大敗が起こり得るし、低ければ組織票の比重が大きくなる。 浮動票と組織票には、それぞれ党自体の方針で確保されるものと、候補者・国会議員や地方組織・地方議員の働きによるものとがある。 この4つのエリアそれぞれで対応が必要になる。(ただ各エリアで確保できても調和が取れていない/方針がちぐはぐだと政権交代

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  • 出口をふさいで人事権を握ると人が狂う - やしお

    財務省の文書改竄の話を見ながら、「出口をふさぐ」と「人事権を握る」を同時にやると、「正しいことをやる」より「人事権者に気に入られる(過剰な配慮や忖度をする)」を選ばざるを得なくなるんだ、みたいなことを思った。「出口をふさぐ」というのは、別に官僚をクビになったってアカデミックや民間でキャリアや実績を積み上げられるし、政権が変わればまたスタッフになれるかもといったパスがなくて、一度辞めたら二度と戻ってこれないといった出口のなさのことで、「人事権を握る」というのは2014年に設置された内閣人事局によって審議官クラス以上の各省庁の人事権が内閣に集約されたこと。 学校なんて行かなくても大丈夫、別に大学にも入れるしと思っている(親や周囲が思わせてくれる)子であれば大丈夫でも、そうでないと追い詰められて自殺してしまうのと似ているのかもしれない。 官僚は外部との流動性が低いというのは、日が「ポストに人を

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  • リスクの洗い出しと判断のコツ - やしお

    会社で係長的なポジションになって3年近くが経った。先日、副係長というか職長的なポジションが新たに設けられ、30歳前後のメンバーが就いた。折を見て彼らに伝える機会があるかもしれないし、3年やってみた知見を自分の中で一度整理しておきたいと思った。(大手メーカーの製造側に近い部門で働いている、という前提がある。) 自分が苦しくならないようにする 究極的には人が自分でスタイルを確立するしかない。 「こうした方がより良い」と思って行動変容しても、それで自分が苦しくなるなら続けられない。 どうせ正解の型が一意に決まるわけではないし、仮に正解の型があっても自分を完全にはめ込むこともできない。 「自分がやれるようにやるだけ」くらいに思っている方が精神衛生に良い。それで不適格ならしょうがない。 一方で「より良い方法」に寄せる努力も必要で、その間のバランスが必要になる。 例えば自分自身は、人付き合いがすごく

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  • 逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお

    実際に逮捕・起訴された人の事例をいろいろ読んでみると、普通に生活・仕事していてもされる時はされるんだと思う。 痴漢冤罪や荷物すり替えで違法薬物の運び屋にされるなどの巻き込まれケースだったり、もともとルール(法律・運用)が曖昧なグレーゾーンが拡大解釈で突然咎められたり、捜査機関の描いた架空のストーリーの登場人物にされたり、人は犯罪の意識が希薄だったり、色々ある。 逮捕・起訴されると人生に大きなダメージを被る。会社なんかで災害を想定してBCP(事業継続計画)を事前に立てたりするけど、それと同じような感じで、万が一逮捕された場合でも「こうなる」をそこそこ認識して「こうする」を事前に決めておければ役に立つかもしれないと思うようになった。 概要 弁護士選び 逮捕~裁判の流れ 逮捕 逮捕後 留置場・拘置所 取調べ・調書 捜索差押 勾留請求・勾留質問 裁判 世論形成・名誉回復 参考事例・参考文献 概要

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  • 反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお

    政治構造への従来の認識と、最近の統一教会関連の報道を合わせると、だいたいこんな感じだろうかと現時点で思うところのメモ。 ゲームのルール 国政は数のゲーム。多数決による。 多数決は「採決の前に議論が尽くされ(修正が施され)、十分な情報が採決者にインプットされていること」が前提・理念で、来はただの「数のゲーム」ではないが、多数派が理念を無視することで無化される。 無化する理屈として「多数決で選ばれた=全員が賛成」というすり替えが多い(与党だから国民の意思そのもの、というような) 多数決で勝つための数(議員数)を増やせる人物/集団(政治家/派閥)が力を持つ。 議員の数を増やすには、選挙で票を集める必要がある。 選挙の票には組織票と浮動票が(仮に分類すると)ある。 世間の感心が低く投票率が低い時、組織票の相対的な割合が高まる。 組織票の「当落の正確なカウントができる」「組織票の倍が彼我の差になる

    反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお
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