19世紀末から20世紀にかけて、技術の急速な進歩とともに兵器も長足の進歩を遂げた。大砲については、1897年にフランスが「砲身後坐式」と呼ばれる新型の大砲を開発した。 従来型の大砲は、砲架(大砲の台座)が射撃時の反動で後方に大きく動く。そのため、1発撃つごとに大砲を押して元の位置に戻して、照準をやり直す必要があり、1分間に1発程度しか発射できなかった。それに対して、砲身後坐式の大砲は、砲身の下に付けられたシリンダーで射撃の反動を緩和するので、砲架それ自体は動かない。したがって、照準をやり直す必要がなく、連続射撃することが可能であった。 大砲の性能~ロシア軍も砲身後坐式の大砲は一部にとどまった ロシア軍が装備していた1902年式野砲(口径76.2ミリ)は、この砲身後坐式を採用していたため、毎分10~12発というペースで射撃できた。それに対して、日本軍の31年式速射砲(口径75ミリ)は、後方に