人々の99%とは交渉が可能だが、けっして合意を見出せない交渉相手というのが稀に存在するという。①懐柔と挑発を交互に繰り出してくる人、②人間を完全に白か黒かで考える人だ。こうした相手にどう対処すればよいのか、交渉の専門家が4つの方法を提案する。 交渉について専門家が最初に教えるのは、「問題と人間を切り離す」ことである。このアドバイスはほとんどの場合に有効だ。しかし心理学者である私は、全体の1%ほどのケースでは人間そのものが問題になることを知っている。その場合、通常の交渉戦略はまったく役に立たない。どんな状況がこの例外的なケースに該当するのか、その場合にどう対処すべきなのかを、以下に説明しよう。 まず、あなたが交渉しようとしている人物やグループがどのようなタイプかを見極めよう。相手が次の2つのいずれかに該当する場合は、交渉そのものがいかに困難に思えても、交渉をするべきである。 1.感情的な相手