日本人はマスクをつけることに、大きな違和感を抱くことはない。風邪を引けばマスクをし、インフルエンザや花粉症の予防で欠かせない人も多いはずだ。コロナ禍が続く昨今では、もはやマスクは顔の一部になりつつある。 だが、欧米では日本ほどマスクを着用する習慣はなく、特にコロナが猛威を振るう以前は、マスクをして出歩く日本人に対して違和感を抱く人も多かった。では、なぜ私たちはこれほどまでにマスクに馴染みがあるのだろうか。
手元に置いた携帯電話がひっきりなしに鳴っている。ほとんどが取材依頼だという。2月24日のロシアによるウクライナ侵攻後、時の人になった。 引っ張りだこになるのには訳がある。相手に目線を合わせつつ、複雑な事象をわかりやすく説明する力。ロシアにもウクライナにもくみせず、膨大な軍事情報をつないで全体像を描き出す分析力。 「彼は言葉の力で一種の社会現象を起こしている」。そう話すのは、2019年、小泉さんを東大先端科学技術研究センター(先端研)に誘った先端研教授の池内恵さんだ。 「彼が話すと議論が整理されていくんです。いろんな人が投げた球を一つずつ拾い、それに答えつつまとめるという、非常に高度なことをやっている」。だが、人気の理由は、明晰さだけではなさそうだ。ときおり垣間見せるユーモアや、硬軟とりまぜた引き出しの多さ。自ら「軍事オタク」ぶりを見せて、楽しんでいるふしもある。 東京大学先端科学技術研究セ
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