生まれて初めて香港に行ったら、勢い余って広東語を勉強したくなった。 行く前は正直「香港ってどうせ都会だし東京の2Pカラーみたいな街だろうな」とめちゃくちゃ失礼なイメージを持っていたのだが……結果、大間違いだった。 ぎちぎちに肩を寄せあう超高層住宅、ありえない頻度で行きかう二階建てバスとトラム、口に合いすぎる美食の数々――。圧倒的なパワーと、むせ返るほどの異国情緒に、すっかり魅了されてしまった。 何かを好きになったら、骨の髄までしゃぶりたくなってしまうのが人間というもの……。 というわけで、香港の公用語・広東語を勉強してみることにした。 広東語(かんとんご)って? 一般的に、日本で「中国語」と言うと「北京語」or「普通語」を指す。「ニーハオ」とか「謝謝」とか、みんなにお馴染みのあれだ。 翻って「広東語」とは、香港、シンガポール、マカオなどで話されている言語で、文法や単語はある程度似てはいるも