【萬物相】日本の妖怪学 日本の山道は不気味だ。まっすぐ伸びたスギの木が日差しを遮り、尾根に登るまで湿っぽく、暗い。ところどころにある奇異な神社からは、今すぐにでも幽霊が現れそうだ。人間のような形をした岩に赤い前掛けを付け、ろうそくをともしているのを見て、思わず縮み上がる。21世紀の先端文明国で、全ての事物に霊魂が宿ると信じる「アニミズム」とは。 日本ではキリスト教が浸透せず、仏教も形を変えて日本伝統の神道に溶け込んだ。日本人の宗教は「八百万の神」という言葉に集約される。八百万は非常に多いという意味だ。日本人はよく「死んだら自然に返る」と考える。人や動植物はもちろん、無生物にも魂があり、それが帰する全てが「神」だと考える。キツネの神、犬の神、山の神、畑の神、コメの神…。さらにはトイレの神もいるのだ。一神論者が信じる絶対神とは違う。 その中で、妖怪は「良くない由縁を持つ神」と言えばいいだろうか
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