「再公有化」が大人気 英国は約30年にわたり深く広く公共サービスの民営化を体験してきた。そんな英国で、こんにち「公的所有(public ownership)」が政治的な主要課題として登場し、しかも大人気である。 同国のシンクタンクLegatum Instituteによる最新の世論調査(2017年)では、「水道の再公有化」が調査対象者の83%に支持されるという結果だった。さらに、鉄道は76%、エネルギーは77%の支持である(すべてLegatum Institute, 2017.We Own It キャンペーンの一覧が分かりやすい)。 この数十年にわたる重要な産業の民営化圧力は、程度の差はあれ世界共通の傾向で、日本も例外ではない。昨年末、水道法が改正され、今後自治体は官民連携の一モデルであるコンセッション方式を検討しなくてはいけなくなった(英国とは民営化の方法が異なる)。 英国は1980年代に