政府が今国会の最優先課題とした日米貿易協定が、きのうの参院本会議で与党などの賛成多数で承認された。米議会の承認は不要なため、来年1月1日に発効する見通しだ。 国会審議で最も問題となったのは、米国に押し切られて日本が不利になったのではないかということだ。日本は米国産牛肉や豚肉の関税引き下げを約束したが、米国は日本車の関税撤廃を見送ったからだ。 安倍晋三首相はトランプ大統領と合意した際「日米にウィンウィン」と強調した。協定で将来の車関税撤廃が前提になっているためという。 ただ協定には「撤廃についてさらなる交渉を行う」と玉虫色の文言しかない。日本車への追加関税を振りかざしたトランプ氏が撤廃に応じるとは考えにくい。政府は国会で説得力ある説明を行う必要があった。 だが首相らは協定の文言を繰り返すばかりで、米国から撤廃の確約を得たという明確な根拠を示さなかった。撤廃が決まっているのなら時期のめどぐらい