鍋料理 は具を鍋に入れるだけなので誰が作っても同じかと思うと、そうではない。 具材を入れるタイミングと場所によって、うまみに大きな違いが生まれるのだ。 寄せ鍋をおいしく作るなら、まず最初に鍋に入れるのは 昆布 。水から煮立ててしっかりダシを取り、具材を入れるのは、汁の温度が90℃以上になってからがいい。 水は100℃ で沸騰するので、そのちょっと手前くらいが入れ始めるタイミングなのだ。 早い段階で魚介類を入れると、うまみが溶け出して濃厚なダシは出るが、具そのものの味は落ちてしまう。 そこで、ダシは昆布にまかせ、ふつふつと沸いてきてからまず魚を入れる。魚の成分がしみ出したところで、味の薄い具、あとから濃い味の具、という手順で入れていく。 具材を入れる場所にも注意を払いたい。鍋の中で沸騰した湯の真ん中には激しい対流が起きているため、その対流の真ん中に具を入れてしまうと、煮崩れする恐れがある。そ