「ボードゲーム」という括りには、大雑把に分けて3つの階層がある。ひとつは囲碁や将棋などの「伝統的なゲーム」、それから日本では20世紀中頃から販売されてきた定番ゲーム、たとえばモノポリーや人生ゲーム、あるいはオセロやダイヤモンドゲーム、ウノなど。そして20世紀末から広まった、とりわけ「カタン以降」のドイツゲーム類。 まあ伝統ゲームは普通「ボードゲーム」と言われて思い出すものとは些か異なるように思われるのでこの際除外するとして、しかし「定番ゲーム」と「カタン以降」の間の溝は深い。 大きな違いは「アブストラクト」だ。 アブストラクトというのは抽象を意味する語で、つまりボードやカード、駒などに具象的なイラストなどが用いられず、単純化された記号や図形などで構築されるものの総称だ。 ボードゲーム専門店などでは、アブストラクトなゲームの取り扱いはかなり少ない。近年では例外的に多数の賞を獲り注目された「ブ