生後3カ月の子どもと冬眠中のクロクマ(資料写真)。 Photograph from All Canada Photos/Alamy 新たな研究で、冬眠中のアメリカクロクマは体温をあまり低下させずに、代謝を大幅に落とせるという驚くべき事実が明らかになった。 北米に生息するこの哺乳類の冬眠期間は通常、約5~7カ月。冬眠中は食事や排尿、排便を一切せず、春になると巣穴から出て冬眠前と同じように動き回る。 長期間に及ぶ“断食”を耐えぬくために、冬眠中のクマは代謝、すなわち食物をエネルギーに変える化学作用を低下させていることは以前から知られていた。 しかし、クマもほとんどの動物と同様に、代謝機能を落とすためには体温を下げる必要があると見られていた。動物は体温が10度下がるごとに代謝機能が半減するというのが通説である。 ところが今回の研究では従来の考えを覆す結果が示された。アラスカに生息するアメリカクロ