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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (59)

  • クモの巣に止まって獲物を横取りする鳥がいた、初の科学的な報告

    裏庭で逆光を浴びて光るジョロウグモの巨大な巣。米国ジョージア州で撮影。(PHOTOGRAPH BY BLUIZ60, ALAMY STOCK PHOTO) 2022年9月13日、米国アトランタ在住のナチュラリスト兼園芸家アーティー・シロンス氏は、台所の窓から、巨大なクモの巣に捕らえられた鳥を見つけた。ショウジョウコウカンチョウ(猩々紅冠鳥)のメスのようだ。 ところがよく見ると、鳥はクモの巣に絡まってはいなかった。クモの巣に止まって、クモの獲物を盗んでべていたのだ。巣の主は、米国では外来種であるジョロウグモ(Trichonephila clavata)だった。(参考記事:「米国で急拡大するジョロウグモ、東部一帯に広がるおそれ、研究」) ショウジョウコウカンチョウはクモを追い払い、巣にかかった昆虫をいくつかべると飛び去った。 わずか2分ほどの出来事だったが、シロンス氏は何か特別なものを目撃

    クモの巣に止まって獲物を横取りする鳥がいた、初の科学的な報告
  • まつ毛の役割と最適な長さが最新の研究で明らかに

    目を乾燥させ、ゴミを目の表面に付着させる空気の流れをまつ毛が反らしていることがわかった。(Photograph by Joel Sartore, National Geographic) 色目を使うときに長いまつ毛は確かに有効だ。しかし、繊細なまつ毛のもっと重要な役割は、目を保護し、水分を維持することである。 最新の研究により、目の保護に最適なまつ毛の長さが明らかになり、その黄金比のまつ毛を持つ動物も何種か見つかった。この研究は、まつ毛の空気力学に関するこれまでで最も綿密な研究とみられる。 2月24日付けで「Journal of the Royal Society Interface」誌に掲載された論文によると、適切な長さのまつ毛は目からの水分蒸発量を最大で50%カットできるという。また、まつ毛は空中に浮遊する細かい粉塵の量を半減させ、細菌やその他の病原菌が眼球の表面に付着するのを防ぐ。

    まつ毛の役割と最適な長さが最新の研究で明らかに
  • 生命の定義をも揺るがす代謝の「ありえない反応」、起源解明に光

    大西洋のロストシティー熱水噴出域にある高さ約30メートルのチムニー。海底の熱水噴出孔では、地球上に生命が出現する鍵となった可能性のある単純な有機分子が急速に生成している。(PHOTOGRAPH BY D. KELLEY & M. ELEND, UNIV. WASHINGTON INST. FOR EXPLORATION/URI-IAO/NOAA/THE LOST CITY SCIENCE TEAM) マルクス・ラルザー氏は、生命の起源を研究するつもりではなかった。氏は主に、細胞が養分を取り込むプロセスや、このプロセスがストレスや病気によってうまく働かなくなる仕組みを研究していた。しかし10年ほど前、英ケンブリッジ大学に在籍していた氏のチームは、まったくの偶然から衝撃的な発見をする。 ラルザー氏らは当時、「解糖系」を研究していた。解糖系とは、細胞が利用できる形やエネルギー源になるように、体内

    生命の定義をも揺るがす代謝の「ありえない反応」、起源解明に光
  • 元祖スーパースプレッダー「腸チフスのメアリー」が残した教訓

    アイルランド出身の料理人メアリー・マローン。腸チフスが集団発生した際、初めて保菌者と特定された人物だ。メディアはマローンを「腸チフスのメアリー」と呼び、マローンの裁判と強制隔離は世間の注目を集めた。1909年ごろに公開されたこのイラストでは、マローンが頭蓋骨を割ってフライパンに入れている。(CHRONICLE, ALAMY) ジョージ・ソーパーはいわゆる探偵ではなかった。彼は土木技師だったが、公衆衛生の専門家のような存在になっていた。そのため1906年、米国ニューヨーク州ロングアイランドの家主が腸チフスの発生源の追跡に苦労していたとき、ソーパーに声がかかった。その夏、家主はある銀行家の家族と使用人にロングアイランドの家を貸していた。8月後半までに、この家に暮らす11人のうち6人が腸チフスに感染したのだ。 ソーパーは以前、ニューヨーク州の職員として感染症の調査を行っていた。「『エピデミック・

    元祖スーパースプレッダー「腸チフスのメアリー」が残した教訓
  • コロナで再燃、ローラースケートの意外と長い300年の歴史

    1880年代、全米の都市や町でローラースケートが大流行していた頃。ローラースケート場の広告には、あらゆる年齢層の人々が4輪のスケートを履いて楽しむ様子が描かれていた。(BRIDGEMAN) 2020年、新型コロナウイルス感染症が大流行する中で、隔離期間中も安全に楽しめる娯楽として、米国でローラースケートの人気が大きく復活した。ローラースケートと言えば20世紀のもののように思えるかもしれないが、車輪付きのが最初に登場したのは1700年代だ。デザインの変更と改善が繰り返され、欧州および米国では19世紀を通じてスケートが流行していた。 ローラースケートの前身であるアイススケートの歴史は遥かに古く、紀元前1800年までさかのぼる。スカンジナビアの人々が動物の骨からアイススケートを作っていた考古学的証拠があり、人力の移動手段の先駆けだった。 アイススケートをヒントにインライン型が登場 に車輪を取

    コロナで再燃、ローラースケートの意外と長い300年の歴史
  • 冬眠中のクマの驚くべき体内メカニズム

    生後3カ月の子どもと冬眠中のクロクマ(資料写真)。 Photograph from All Canada Photos/Alamy 新たな研究で、冬眠中のアメリカクロクマは体温をあまり低下させずに、代謝を大幅に落とせるという驚くべき事実が明らかになった。 北米に生息するこの哺乳類の冬眠期間は通常、約5~7カ月。冬眠中は事や排尿、排便を一切せず、春になると巣穴から出て冬眠前と同じように動き回る。 長期間に及ぶ“断”を耐えぬくために、冬眠中のクマは代謝、すなわち物をエネルギーに変える化学作用を低下させていることは以前から知られていた。 しかし、クマもほとんどの動物と同様に、代謝機能を落とすためには体温を下げる必要があると見られていた。動物は体温が10度下がるごとに代謝機能が半減するというのが通説である。 ところが今回の研究では従来の考えを覆す結果が示された。アラスカに生息するアメリカクロ

    冬眠中のクマの驚くべき体内メカニズム
  • 日本人が作った森 「明治神宮」 後編

    原宿駅付近から渋谷方面を望む。今から90年前は草むらや沼地ばかりの荒れた土地だったが(上)、現在は豊かな森が広がる(下)。 写真:明治神宮(クリックで拡大) 実際の森づくりは、まずこの土地にすでにある木を生かすことから始まった。将来の主木にするためカシやクスノキなどの常緑広葉樹が育つまでには相当な時間がかかる。それまでは、今ある木々を活用しようというわけで ある。 この発想をもとに考え出されたのが、前編で掲載した 「明治神宮御境内林苑計画」に記されている四つの段階の「森づくりの工程表」だ。 「明治神宮御境内林苑計画」は、造園家の郷が著したもので、森林造成計画の記録書であり、森林管理の指南書である。和綴(と)じにされ、歴史を感じさせるその書物をめくっていくと、「林苑の創設より最後の林相に至るまで変移の順序(予想)」とあり、50 年後、百数十年後の森林の変化が、4 段階の林相予想図として描か

    日本人が作った森 「明治神宮」 後編
  • 【動画】仲間を進んで助けるヨウム、鳥で初の行動

    実験でコインをやり取りするヨウムのジャックとジェロ。(VIDEO BY ANASTASIA KRASHENINNIKOVA) オウムの仲間でアフリカに生息するヨウムに、自ら進んで仲間を助ける習性があることが、1月9日付けの学術誌「Current Biology」に発表された。鳥類でこの行動が見られたのは初めてだ。 ヨウムは脳が大きく、優れた問題解決能力を持ち、賢いことで知られているが、仲間を助けるといった複雑な社会性が鳥に備わっているかどうか、科学者たちは疑問を抱いてきた。スイス、チューリッヒ工科大学の生物学者デジレ・ブルックス氏によると、やはり「知的な」鳥として知られるカラスには、今のところそのような行動はみられない。(参考記事:「賢いインコ「ヨウム」、アフリカで激減」) 「オウムの仲間はこれまで実験されてこなかったので、仲間を積極的に助ける能力は鳥では進化しなかったという仮説に結論は出

    【動画】仲間を進んで助けるヨウム、鳥で初の行動
  • 痛みを感じる仕組みに新説、皮膚に新たな感覚器官

    着色された顕微鏡画像。新たに発見された侵害受容グリア・神経細胞複合体と呼ばれる器官の構造は緑、神経細胞は赤、皮膚の外側部分の細胞は青で示されている。(REPRINTED WITH PERMISSION FROM HIND ABDO ET AL., SCIENCE, 16-AUG-2019.) 注射針を刺された経験のある人ならわかるだろう。最初にちくりとし、次に鋭い痛みを感じる。思わず顔をゆがめたりしたくなるものだ。 このような痛みはごく当たり前の感覚だが、その背後にある神経回路の仕組みは、完全には解明されていなかった。そのパズルの重要なピースが、今回見つかったかもしれない。これまで知られていなかった新たな感覚器官が、皮膚の内部にあることがわかったのだ。 「侵害受容グリア・神経細胞複合体」と名付けられたこの構造は、心臓や脾臓のような複雑な臓器とは異なり、グリア細胞(膠細胞)という細胞が網状に

    痛みを感じる仕組みに新説、皮膚に新たな感覚器官
  • 「米国最後の奴隷船」を発見、110人を密輸

    110人の男女や子どもがクロティルダ号の窮屈な船倉に詰め込まれ、1人を除く109人が西アフリカからアラバマ州までの6週間の過酷な旅を生き抜いた。もともとクロティルダ号は人ではなく貨物を運ぶためにつくられたスクーナーで、その独自の設計と寸法が沈没船を特定する助けになった。(JASON TREAT AND KELSEY NOWAKOWSKI, NG STAFF. ART: THOM TENERY) アフリカから米国に奴隷を運んだ最後の船として知られる帆船「クロティルダ」号が、海洋考古学者たちによる1年間の徹底的な捜索の末、アラバマ州を流れるモービル川の人里離れた支流で発見された。 アラバマ歴史委員会(AHC)の事務局長とアラバマ州歴史保全官を兼任するリサ・デメトロポウロス・ジョーンズ氏は「クロティルダ号に乗せられた人々の子孫は何世代にもわたり、この発見を夢見てきました」と語る。「彼らの夢がつい

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  • 第5回 「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか

    さんは東大教養学部がある駒場キャンパスの准教授なので、大学に入ってほやほやの1年生の講義を受け持つことがある。その時のエピソードをもって、まず想像してほしい。 「駒場の1年生の心理学の講義で、最初にやるんですよ。血液型性格判断がいかに正しくないか、科学的じゃないか。でも、結構な数の子があれでショックを受けちゃうんですよね。今まで信じてましたって。でも、サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的なんですけど、ただ、血液型性格判断を信じてしまう人の心理っていうのは、おもしろい研究対象ではありますね」 血液型性格判断については、もう信奉する人が度を越していて、ぼくもうんざりなので、四さんのこの姿勢には大いに共感する。それが「正しくない」「科学的じゃない」理由については、稿のカバーする範囲ではないと思うの

    第5回 「男脳」「女脳」のウソはなぜ、どのように拡散するのか
  • 第二次大戦の空襲のエネルギー、宇宙に達していた | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    第二次世界大戦中の空襲のエネルギーは宇宙にまで届いていた。(PHOTOGRAPHY BY US AIR FORCE, PUBLIC DOMAIN) 第二次世界大戦中、ヨーロッパ全域は空襲によって壊滅的な被害を受けた。新たな研究により、この爆発のエネルギーが驚くほど遠くにまで影響を与えていたことが明らかになった。(参考記事:「完全崩壊からほぼ忠実に蘇ったドレスデンの教会」) 9月26日付けの地球物理学の学術誌「Annales Geophysicae」に発表された論文で、第二次世界大戦中の空襲が地球の電離層に及ぼした影響が明らかにされた。電離層とは高度80kmから500km以上にも及ぶ大気の層で、太陽からの光や宇宙線を受けた原子や分子が電子を放出し、帯電(=電離)している。研究チームによると、1回の空襲のたびに落雷数百回分のエネルギーが放出された結果、電離層の最も外側のF2層の電子密度が低下し

    第二次大戦の空襲のエネルギー、宇宙に達していた | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  • 雷雲はなんと10億V超、電圧の測定に成功

    米ネブラスカ州カーニーを流れるプラット川。嵐の空に鳥たちの影が浮かび上がる。(PHOTOGRAPH BY RANDY OLSON) 1752年、米フィラデルフィアの上空に分厚い雨雲が現れた。ベンジャミン・フランクリンはその下に立ち、凧を飛ばすだけの簡単な実験で、雷が電気であることを証明した。それから250年以上が経ち、雷雲の驚くべき秘密がまたひとつ明らかになった。 このたび学術誌「Physical Review Letters」に掲載された論文によると、まったく新しい方法を使って雷雲全体の電圧を分析したところ、瞬間的に13億ボルトにも達していたという。その電力はおよそ2ギガワット。これはニューヨーク市全域に電力を30分間供給できるほどのエネルギーだと、論文の共著者で、インド、ムンバイにあるタタ基礎科学研究所の高エネルギー物理学者であるスニル・グプタ氏は語る。 「それだけの電圧を地上で達成さ

    雷雲はなんと10億V超、電圧の測定に成功
  • 常識覆す奇妙なカニの化石を発見、カニ界に激震

    新たに化石が発見された9000万年前のカニ、Callichimaera perplexaの復元図。史上最も奇妙なカニかもしれない。(ILLUSTRATION BY OKSANA VERNYGORA, UNIVERSITY OF ALBERTA) カニとは何か? カニをカニたらしめるものはいったい何だろうか? 奇妙なカニの化石の発見によって、その答えが簡単ではないことがはっきりした。さらに、大規模な遺伝子研究とあわせ、カニの進化にいま新たな光が当てられようとしている。 4月24日付けの学術誌「Science Advances」に、現在のコロンビアで発掘された約9000万年前の化石に関する論文が発表された。この場所で発掘された化石の保存状態は素晴らしく、1センチ以下の小さなエビが見つかるほどだ。そんなことは極めて珍しく、熱帯ではこれまでに数カ所しか見つかっていない。 この場所から、ある奇妙なカ

    常識覆す奇妙なカニの化石を発見、カニ界に激震
  • ほぼ完全な中世の剣を発見、ポーランド

    この14世紀の剣は、長さ120cmで、重さはわずか1.5キロだった。(Photograph by Fr. Stanisław Staszic Museum) 600~700年前、ひとりの不運な騎士が泥炭地に落ちるか、そこで剣を落とすかしたようだ。ポーランド南東部、フルビェシュフ郡近郊の泥炭地で、信じられないほど保存状態のよい剣が発見されたことを受け、研究者らはそんな見解を示した。(参考記事:「沈没船41隻を発見、驚異の保存状態、黒海」) 建設作業員が掘削機を使って湿地の排水をしようとしていたところ、たまたまこの剣を発見、地元のスタニスワフ・スタシツ博物館に寄付された。13世紀末か14世紀中頃のものと見られ、柄以外はほぼ完全に残っている。 博物館の館長バルトロメイ・バルテツキ氏がポーランドの科学誌PAPに語ったところによると、両手で扱うこのタイプの剣は「この地域では珍しい発見」だが、当時は騎

    ほぼ完全な中世の剣を発見、ポーランド
  • カラスの知能、数手先を考え行動 最新研究で判明

    道具作りの名人カレドニアガラスは、数段階の計画を立てることもできる。(PHOTOGRAPH BY VINCENT J. MUSI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) カラスの一種であるカレドニアガラスが、3工程もの計画を立て、道具を使って餌を手に入れる能力をもつことが、新たな研究で判明した。これまで動物には未来を想像し、計画を立てて行動する知能は備わっていないとされてきた。 「チェスをする人間のようです」と、研究を指揮したニュージーランド、オークランド大学のアレックス・テイラー氏は話す。研究成果は、2019年2月7日付けの学術誌「Current Biology」に発表された。 カレドニアガラスは、オーストラリアの東の島々に生息するカラス科の鳥で、道具を作ることで知られている。小枝を加工して槍や釣り針を作り、それを使って獲物の幼虫をとる。ほかに、石を使って餌をとる研究例もあ

    カラスの知能、数手先を考え行動 最新研究で判明
  • 【動画】深海タコの大群が見つかる、世界最大 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

    水深3200メートルの深海底を遠隔操作の無人探査機で調べていた科学者たちが、これまで誰も見たことのない驚きの光景に出くわした。 米国カリフォルニア沖にあるダビッドソン海山のふもとに突き出た岩場に、数百匹のタコが集まっていたのである。Muusoctopus robustus と呼ばれる、ミズダコの仲間である。 「小さな丘の東側を降りていくと、突然数十匹のタコの群れが現れました。すると、向こうにも数十匹、その向こうにも数十匹という具合に、いたるところに群れていたんです」。探査船ノーチラス号の主任科学者で、モントレー湾国立海洋保護区の海洋生物学者でもあるチャド・キング氏は語った。(参考記事:「【動画】深海でかわいすぎる“ダンボ”タコに遭遇」) 合計1000匹以上はいただろうという。岩と岩の間に集まって、ほとんどのタコは腕で頭部を覆い、裏返しになったような格好でうずくまっていた。通常、メスが抱卵し

    【動画】深海タコの大群が見つかる、世界最大 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
  • 「鏡の中の自分」がわかる魚を初確認、大阪市大

    そこで、氏らはホンソメワケベラで実験してみた。人間の指の長さほどしかない小さな魚で、インド洋と太平洋の温暖で浅い岩礁に広く分布している。自分よりもはるかに大きな魚の角質や粘液、寄生虫を取り除いてくれる掃除屋として知られている。(参考記事:「サンゴ礁の掃除魚、“制服”で存在示す」) ホンソメワケベラには、ほかの魚と比べて高い思考力があると考えられている。できるだけたくさんエサを得るために、あの手この手で「お客さん」を満足させつつ、相手をうまく操る。数百もの異なる生物を見分けて、それぞれとの関係を記憶しているかのような行動も見せる。(参考記事:「【動画】おねだりしあうエビと魚、微笑ましい光景」) 「椅子から転げ落ちるほど驚きました」 幸田氏の研究チームは、野生で捕獲した10匹のホンソメワケベラを、鏡のある水槽に1匹ずつ入れた。ほとんどの個体は、最初鏡に映った自分の姿を見て、口を大きく開けて激し

    「鏡の中の自分」がわかる魚を初確認、大阪市大
  • 【動画】水滴の「ぽちゃん」、音出る仕組みを解明

    【動画】「ぽちゃん」という音が出る仕組み。衝突によって水中に泡ができ、その泡の振動がさらに水面を揺らすことで、高い音が発生することが明らかになった。(字幕は英語です) ぽちゃん、ぽちゃん、ぽちゃん、ぽちゃん……。 水滴が次々と落ちてくる音がする。水道の蛇口がきちんと締まっていないか、あるいは天井の隙間から水が漏れているのかもしれない。この音がしていると、一晩中眠れないという人もいるだろう。 英ケンブリッジ大学の工学者、アヌラグ・アガルワル氏もその1人だ。そんなアガルワル氏らの研究チームが、この独特な音が発生する仕組みをついに解明し、6月22日付けの学術誌「Scientific Reports」に発表した。(参考記事:「オーロラから聞こえる謎の音の正体を解明」) アガルワル氏は、2016年にブラジルの友人宅を訪れた際、雨漏りのする天井から、下に置いてあるバケツの中にひっきりなしに落ちる水滴の

    【動画】水滴の「ぽちゃん」、音出る仕組みを解明
  • ヒット曲はますますヒット、鳥で判明、最新研究

    長く歌い継がれてきた歌を歌うヌマウタスズメのオス。(PHOTOGRAPH BY ROBERT LACHLAN) 毎年夏になると、北米の湿地には数千羽のヌマウタスズメ(Melospiza georgiana)の明るい鳴き声が響きわたる。この小さな茶色の鳥たちは数曲の歌しか知らないが、どの鳥も完璧にマスターしている。 科学者たちはこのほど、人気のある歌を覚えるという理由により、ヌマウタスズメが500年以上同じ歌を歌い継いでいることを発見し、6月20日付けの「Nature Communications」に発表した。ヌマウタスズメの幼鳥は、成鳥が歌う歌を厳密に模倣し、歌のレパートリーは長年ほとんど変わっていない。科学者たちは、ヌマウタスズメが人間と同じくらい正確に文化を伝え、守っていると主張している。(参考記事:「700年前のサルの道具を発見、100世代継承」) 人間と同様、ヌマウタスズメの幼鳥は

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