[二宮清純]覚悟の「現実対応型」で結果出した岡田ジャパン 【ニッポン原論】2010年06月17日 私見だが、大別するとサッカーのスタイルにはプロアクティブ(未来予測)型とリアクティブ(現実対応)型の二つがある。「日本サッカーの日本化」を宣言した前任のイビチャ・オシム監督は典型的なプロアクティブ型の指揮官だった。 脳梗塞(こうそく)で倒れたオシムからバトンを引き継ぎ、2度目の代表監督に就任した際、岡田武史監督も最初はプロアクティブ型を模索した。アジアのレベルではそこそこうまくいったが、アジアを飛び出すと、途端に行き詰まった。 W杯本番前のテストマッチに4連敗、岡田も選手も途方に暮れた。チームにとってはここが底だった。 もう時間がない。ここで指揮官はプロアクティブ型を捨て、リアクティブ型に舵(かじ)を切った。端的に言えば、弱者の戦略だ。 これがツボにはまった。格上のカメルーンに対して深めの陣